お便り返しとなります。
差出人:太平洋
資産価値を気にするのはおかしいという意見もあるようですがマンションマニアさんはどのように考えられていますか。
残債割れするリスクを測るのは一般的な行動と思えます。転勤や家族が増えるなどして住み替えの必要性が発生したときに売却するかもしれません。
資産価値を全く気にしない人が多いのでしょうか。
太平洋様
マンションマニアです!
お便りいただきありがとうございます!
まず、マイホームを探す際に資産価値(資産性)を気にしなくてもよいのはどのような方々でしょうか。
①現金で買う(もしくは住宅ローンで買うにしても預貯金がたんまりある)
②ずっと住み続ける
上記2パターンがわかりやすい例ですね。
現金で買えば借金は0ですからよほどのことがない限りマイナス資産になることはありません。
ずっと住み続けるというのはどちらかといえば注文住宅寄りの考えで夢を買うパターンですね。資産価値よりも広さであったり自分たちのこだわりを優先すべきです。
マンションの場合、資産価値が下がっていくと後から入ってくる人が新築時と異なる属性となるなど気になることもありはしますが売らなければ自分の部屋自体の資産価値はあまり気にする必要がないですからね。
「資産価値を気にするのはおかしい!!」という意見があるのは当然です。上記の方々からすれば「資産価値??」となりますから。「資産価値を気にするのはおかしい!!」と言っている人に「資産価値を気にしないほうがおかしい!!」ということはできません。マイホームを買う目的やお財布事情が異なるのですから。
実は私が勤めていた鉄道会社(あくまで現業の話です)では上記の考えをされる先輩のほうが圧倒的に多かったのです。
その理由として
・転居を伴う転勤がない(総合職など一部を除く。JRの現業は支社内での異動が基本等。プロ採は別。)
・給料が安定している
・昇進しなくとも年齢とともにある程度昇給していく
・定年まで勤める人が多い(平均勤続年数20年前後)
・退職金がしっかりとしている
・一馬力が多い(24時間不規則勤務のためフルフルの子育て共働きはなかなか難しい。もちろんいなくはないですがハードル高いです。)
お世話にはなりたくないですが身近な存在として例えると警察官のような環境なのです。警察官でもエリート組は別ですが現場のほとんどは都道府県採用ですから転居の伴う転勤はありませんし(広いところだと必ずしもそうではないですが一都三県なら。諸島もありますので基本的には~です)とてつもなく大変な仕事ですがお給料は安定しています。30代半ば、40代くらいとなれば定年まで勤める方が多いのではないでしょうか。
となれば資産性を気にせず建売住宅や注文住宅などを購入してもハッピーになりやすいのです。少し駅から遠くても一馬力なら一人が通勤頑張れば良いわけですし、部屋数や広さ、支払額を優先的に考えたほうが良いですからね。
私の同期や後輩はマンション派も多かったので世代による価値観が異なることは言わずもがなですが上記のような職場環境だと資産価値を気にしない買い方もしやすいですよね。
ただ、とくにマンションにおいては上記に当てはまるパターンは少なくなりますよね。
ご質問にありますように転勤や家族構成の変化で住み替える可能性がある方も多いですし、「長く住むつもりだけどどうなるかわからない」という方がほとんどなのではないでしょうか。共働き世帯が多く、働き方も多様化しています。
そうなると資産価値を気にするのは当然でしょう。ただ、資産価値を気にすると言っても大きく分けて3パターンあります。
①買った価格より値上がりを期待する
②できるだけ買った価格を維持してほしい
③残債割れしなければOK
資産価値を気にされるほとんどの方が②と③です。
もちろん①の考えをされる方を否定するつもりは一切ありません。そのような考えだと狙えるマンションは少なくなりますがいつの時代でも値上り期待できるマンションはあります。仮に②と③でもたまたま気に入ったマンションが①であったということもあるでしょう。
資産価値~と聞くと値上がり~と思われる方が多いかもしれませんが実際に資産価値を気にされている方のほとんどが値上がりではなく値下がらないもしくは残債割れしないという意味で資産価値を気にされているのです。
年間2%値下がりそうなマンションよりかは年間1%しか値下がらないマンションのほうが安心ですし、10年後も買った価格を維持してくれていたらより安心ですよね。
住宅ローンの残債よりも資産価値が低いとなった際に貯金が少ないと売るに売れなくなってしまいます。
資産価値=お金
ではなく
資産価値=安心
なんですね。
その安心が万が一売却する際にお金に代わってくれると。最初から「お金!お金!お金!」なんて目線でマイホーム探しする人はごくわずかです。もちろん投資家さんはそうであるべきですが実需であれば満足度と安心を買うのです。
厳しい事例も混じるため今回の記事では物件名を伏せますが
・Aマンション 2019年築 新築時約3900万円 中古時約3400万円
・Bマンション 2020年築 新築時約3300万円 中古時約3200万円
・Cマンション 2021年築 新築時約4200万円 中古時約4400万円
・Dマンション 2020年築 新築時約3600万円 中古時約4600万円
・Eマンション 2019年築 新築時約4500万円 中古時約7600万円
上記は実際にあった動きです。
資産価値を気にされるというほとんどの方が「最低でもB以上、できればC以上の資産価値を求める」という思いなのではないでしょうか。
※Aマンションを購入された方を否定するものではまったくもってありません
上記5物件は完全まる被りではないですが同時期に販売していました。
もしも太平洋様が上記5物件を検討されていて資産価値を求めているというご相談を受けていたとすれば下記のようなアドバイスをしていたでしょう。
太平洋様が気に入っている順番 A → C → D → B → E
「CかDにしましょう!!」と。
Eマンションは当時の記事でもとんでもなくおすすめしていたくらいお安かったのですが気に入っている順番が一番後ろであったのであればCかDを選んだほうがハッピーだと思うのですよね。でもAは買っちゃダメですよ~と。だって資産価値を求めているわけですから。
もちろん気に入っている順番が
E → …
なら迷わずEをおすすめしますが実需である以上は資産価値を意識しつつも気に入ったものを買うことが大正解だと考えます。
資産価値を求めるというのはなんらおかしなことではありません。できるだけ値下がりにくいものを適正価格で買いたいというのは私だって同じ思いです。
何年住むかも決まっていないのに資産価値のことをまったく考えず購入、住んでから数年で売却することになったけど数百万円の手出しが必要、売るに売れない…ということにはなってほしくないのです。それこそ家族の幸せをマイホームが邪魔することになってしまいます。
それでも実需である以上は資産価値に尖りすぎるのもよくありません。しかしながら居住性に尖りすぎて住宅ローン破綻するのは絶対によくありません。バランスが大事だと考えます。
資産価値を一旦抜きにして住みたいと思える街とマンションの順位を決めていき、そこに資産価値という項目を足してあげれば良いのです。
もちろん将来のマーケットを当てることなんてのは不可能です。ただ、今時点で適正価格なのか割高なのか割安なのかはわかります。割安狙いだと選択肢は狭まりますが適正価格狙いなら選択肢は多くあります。
長く住めるマイホームを手にしましょう!でもいつでも売れるようにはしておきましょう!
マイホーム探しはワガママばかりでよいのです。でも自分たちにとってこれぞという物件に出会ったone chance!を逃してはいけません。勢いも必要です。いい街、いいマンションは待ってくれませんから。
迷われた際はぜひ個別相談会へお越しください!
参考になれば幸いでございます。
引き続きよろしくお願いいたします。
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