モデルルーム使用(予定)住戸はお買い得なのか?という話。
【もくじ】
◇ 「モデルルーム使用予定住戸」の狙い
◇次々と棟内に発生する「モデルルーム使用住戸」
◇「家具付きモデルルーム」の狙い
「モデルルーム使用予定住戸」の狙い
都内の再開発エリアで、道路ひとつ隔てた姉妹物件(物件A:総戸数219戸、物件B:総戸数68戸)のチラシで観測された事案。モデルルーム使用予定住戸限定 販売価格
- 物件A:南西角住戸3LDK、78m2超、3,680万円
- 物件B:南東住戸4LDK、87m2超、3,990万円
「モデルルーム使用予定住戸」って何なのか?
チラシにはゴマ粒サイズの極小文字で、次のように注釈されている。
- モデルルーム(商談ルーム)使用予定住戸
- 使用期間:20××年3月1日〜6月30日
- モデルルーム使用後、現状有姿にて販売するものです。
- モデルルーム(商談ルーム)使用予定住戸は、再登録受付・抽選となります。
つまり、これから4カ月間モデルルームとして使用する住戸を抽選販売しようというのだ。
「モデルルーム使用予定住戸」は、物件A、Bとも専用庭付きの1階住戸。 モデルルームに1階の住戸を選んだのは、訪問者がアクセスがしやすいゆえなのか? それとも不人気ゆえの販促ワザなのか?
2つの「モデルルーム使用予定住戸」の販売価格は、m2当たりに換算すると、物件A が47万円/m2、物件B が46万円/m2。
非モデルルームの販売単価60〜67万円/m2(物件A)、52〜69万円/m2(物件B)と比べると、最大で3割ほど安くなっている。
すでに契約した人に対しては、「今回はモデルルームに使用するので、安くなっているんですよ」と言い訳できる。
3割も安いから、お客も呼べる。
「モデルルーム使用予定住戸」には、売主サイドのそんな思惑が働いているのではないだろうか。
消費者としては、なぜ3割も安いのか、本当の理由を把握し、その理由に納得したうえで、契約することが肝要だろう。
次々と棟内に発生する「モデルルーム使用予定住戸」
定期借地権付きの超高層マンション(総戸数315戸、38階建て)のチラシで観測された事案。
- Cタイプ1707号室92.91m2/3LDK:3,960万円 ⇒3,260万円<700万円DOWN!>
- Dタイプ2106号室79.46m2/3LDK:4,110万円 ⇒3,410万円<700万円DOWN!>
この2件ともモデルルーム使用予定住戸。
Cタイプ1701号室は20××年1月より、Dタイプは20××年2月より棟内モデルルームとして契約時まで使用。
現有有姿でのお引渡しとなります。
実はこの物件はこれまでにも、次から次へと「モデルルーム使用予定住戸」を販売している。
「契約時まで使用」される棟内モデルルームとは、言い換えると「売れるまではモデルルーム扱い」ということだ。
「モデルルーム使用住戸」とエクスキューズしておけば、値下げを公表しても既購入者からの反発を免れよう。
あと、「家具付き」を謳ったモデルルームという類似事案もよく観測される。
「家具付きモデルルーム」の狙い
工場跡地に建つ中規模マンション(総戸数53戸、8階建て)のチラシで観測された事案。B4判のチラシのオモテ面に、リビングの写真とともに販促コピーが掲載されている。
≪最終2邸≫ 家具付きモデルルーム住戸販売会開催!
売主が「家具付き」を謳うためにワザワザ家具を購入したのであれば、余計なお節介だ。新居には自分のお気に入りの家具を入れたい。
もしホントにモデルルームで使った家具だとすれば、誰のものかも判らない手アカやヨダレのついたソファやテーブルでいいのか?
タダでもらえるのであれば、そんなの気にしないという人がいるかもしれない。でも、見た目は格好よくても、実際のところ安物が多い。
仮に安物でなかったとしても、モデルルームの広さを演出するために選定された、小さくて低いソファやテーブルは実用的とはいえないだろう。
モデルルーム使用予定住戸(≒劣化予定住戸)を選ぶくらいであれば、中古を選択したほうがいいのでは?
マン点流!不都合な真実を解説シリーズ
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