このブログは、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介しようというものです・・・原則として毎月5と10の日に投稿しています
「気に入ったマンションを見つけました、。しかし、ただひとつ妥協できないのは間取りです。どうしたものかと思案しています」・・・このような方によくお目にかかります。
間取りは最終的な決め手になる要素なので、妥協しにくい場合が多いようです。
新築マンションでは、多種多様の間取りタイプを用意するものなので、販売を開始後の早い段階では選択の幅が広く、希望の階や間取りを選ぶことができるでしょう。
しかし、販売が進捗して終盤になると、良いプランの間取りが残っていないかもしれません。致命的な欠点はないにしても、買い手の希望との間に隔たりがあるかもしれません。
冒頭のご相談例は、もうすぐ建物が完成するというタイミングでのものでした。
様々なケースがありますが、和室付きの部屋がいいのだが、そのタイプは売れてしまったとか、物入れが布団が入るだけの奥行きがない、共用廊下に面した寝室は落ち着かないので、バルコニー側の個室を主寝室にしたいのだが、リビングルームとの仕切りが折れ戸タイプしか残っていないといったものです。
●新築でもリフォームする覚悟をしましょう
売れ残りマンションは、例外もありますが、多くは何かしら問題があるものです。日当たりが良くない1階住戸しかない、エレベーターの人だまりの前の住戸といったものです。
もし、幸いにして残っていた住戸が住戸位置について特に問題がなく、間取りだけが希望と隔たりがあるという場合なら、自己負担でリフォームをすることをお勧めします。
●リフォーム開始は引き渡し後になると思いましょう
リフォーム工事は、住宅ローンも含めて一旦代金を全額支払って引き渡ししてもらい、その後に始めることになります。
工事完成が1年先といったものであれば、設計変更を受け付けてくれる場合もありますが、費用も含めて制約が厳しいものです。内装工事に着手していない段階でも受けてもらえないという場合が多いと思わなければなりません。
●かかる費用を先に把握すること
変更したい内容、その材料のグレードなどによってかかる費用はまちまちです。特別注文なので安くはないと考えたほうが正解です。いくつかのリフォーム会社を紹介してもらい、見積りを取りましょう。
工事は引き渡し後になるとしても、完成間近であれば時間はあまりありません。予算を把握しなければなりませんから、急ぎましょう。
●リフォーム部分はアフターサービスの対象から外れると思いましょう
新築マンションには、雨漏りなどの重要な部分は10年のアフターサービスが付きます。各種設備機器、壁紙の剥離や浮き、建具の変形、照明器具、スイッチ、コンセントといったものはせいぜい2年です。
しかし、それでもあれば安心ですが、リフォームをしてしまうとアフターサービスの対象から除外されてしまいます。
大抵は問題ないものですが、覚えておきたい点です。
●値引きを要求し、リフォーム費用を浮かしましょう
売れ残りマンションは値引き販売に踏み切っている場合が多いものです。分譲主は、早く手仕舞いにしたいのがホンネです。タイミングによっては案外大きな要求を受け入れることもあります。
リフォーム費用くらいは出て来るはずです。思い切って要求してみましょう。
●売れ残り物件は値引きしてくれるものと思って間違いない
売れ残りかそうでないかの区分は何をもってするのでしょうか?竣工してから販売を開始する物件もあるので、これは例外ですが、普通は工事中の段階から販売を始めて竣工までに完売というスケジュールで臨むものです。
従って、竣工時期を過ぎたら売れ残りマンションというレッテルを張ることになります。
「売れ残ってしまったものは仕方ない。早期完売に向けて努力せよ」と指令が出ます。そして、売主によっては現場に値引きの枠を与えたり、広告宣伝を強化したり、様々な販売促進策を講じます。
各種の策もむなしく、竣工から半年も経過して大量に売れ残っている物件も少なくありません。今後は増えるはずです。
半年過ぎて売れ残っている物件が優良な物件かどうかは疑問が残りますが、悪くないが戸数が多過ぎて残ってしまうケースもあるので、完成済みの売れ残り物件に注目しても良いかもしれません。
一方、売れ残りマンションとは言えない未完成マンションの中には、決算までに完売して売り上げ計上したい物件も多数あります。これも狙い目です。3月決算の売主が多いので、完成時期を3月までに設定したものが多いのです。売り上げ計上の会計基準は「引き渡し」だからです。
1月、2月には売上額を確定させてしまいたい売主、ギリギリまで売り上げの上積みを狙う売主と、事情はそれぞれですが、12月~2月は値引き要求を呑む可能性が高い時期です。年末年始はチャンスというわけです。
●値引き額の提示があったらチャンス
「決算前ですので、〇〇万円ほど勉強させていただきますから、この機にご決断ください」などと誘ってくる営業マンがあります。これは、決裁権のない社員の言葉ですから、「〇〇万円まではいいよ」 と会社から値引きの枠を予め貰っていることを意味します。
このようなケースは、「〇〇万円ではねえ」 などと気のない素振りを見せるといいでしょう。 必ず「いくらなら買ってくれますか」 の反応があります。このパターンは買い手が主導権を握ることを意味します。
このような下手な営業マンだったらチャンスは大いにありです。ネゴシエーションは駆け引きです。粘って大きな金額を勝ち取りたいものです。
●交渉はこうする
相手が売り急いでいるようなときは、ズバリ 「ちょっとおまけしてくれたら、ここで決めますが、どうですか」 と言うことですね。当然「いくらですか」と聞いてくるでしょうから、そのとき平然と大きな金額を言うのです。
理由など説明する必要はありません。安い方がいいに決まっているのですから。
「〇〇〇万円おまけしてくれたら必ず契約します」 と、明確な意思表示をするのがコツです。間違っても、「金額次第で契約するかどうか判断するから金額を提示してくれ」 などと言ってはなりません。
百万円と言って百万円になるよりは、1千万円と言う方が、5百万円は無理かもしれませんが、3百万円くらいの値引きを勝ち取る可能性が高いものです。
最初は、「それはとても無理です」と答えるでしょう。そうなったら、「では、いくらなら勉強してくれますか」と切り込めばいいのです。「ちょっと上と相談しませんと・・・」と反応したら脈ありですね。
販売が順調ならば、売主も強気ですから、「ご勘弁ください」と値引き交渉に応じないでしょう。しかし、それでも粘って交渉すれば、価格以外のサービスを何がしか提供してくれることがあります。
例えば、「モデルルームに展示していた家具」 や 「登記料の売主負担」、「駐車料5年分無料(売主負担)」 といったものです。
こうした駆け引きが苦手な人や、値引き交渉をしたことのない人は、「何かおまけは付かないのでしょうか」 から口火を切ってみてはどうでしょうか。
前の方でも述べましたが、担当者が、いきなり「今決めていただけるのなら〇〇万円お値引きします」 と言ってくることがあります。
これは、販売が絶不調の証拠です。あらかじめ 〇〇〇万円までなら値引きしていい、 という値引き幅が現場に与えられている場合で、 誰が行ってもその額だけは値引きしてくれるということです。 そういう場合は、その額を交渉のスタートと考え、積み上げを狙うようにすべきです。
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三井健太はマンション研究家。マンション業界OBとして業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介しています。また、個別の物件の価値判断やご購入における諸問題について個別のご相談を承っております。営業担当者には聞きづらいこと、聞いても立場の違いから客観的で信用できる回答を期待しにくいことなどに関しても秘密厳守でお答えしています。
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