都内でマンション選びをされている方の中には「東京都マンション環境性能表示」のラベルをご覧になった方も多いのではないか(次図)。
5つの項目ごとに三ツ星評価された結果がラベル表示されているので、建築技術に明るくない人でも、マンションの建物性能を容易判断することができる都内限定の制度だ。
「東京都マンション環境性能表示」概要
マンション環境性能表示ラベルは、「建築物環境計画書」が提出された時期によって表示されるラベルが異なっている(次図)。省エネ基準などの変更に伴い、適用される基準が微妙に変わってきているのだ(次表)。最新の適用基準は、2020年度に制定された。
具体的な物件のマンション環境性能表示は、東京都環境局HPの「公表されているマンション」で知ることができる(次図)。
「地域」「分譲・賃貸区分」「工事完了(予定)年月」などを選択することで、具体的な情報を得ることができる(次図)。
東京都環境局HPで公表されている23区内の分譲マンションは569件(22年12月5日現在)。
「工事完了(予定)年度」ごとに件数を可視化したのが次図。
2014年度基準が多く(330件)、次いで2020年度基準(191件)。
マンションを選ぶときの☆数の目安
23区内の分譲マンション569件に対して、基準年度ごとに各評価項目(建物の断熱性、設備の省エネ性、再エネ設備・電気、維持管理・劣化対策、みどり)の平均☆数を算出し、可視化した(次図)。上図から分かることは次の通りだ。マンションを選ぶ際の目安になれば幸い。
- 建物の断熱性
2014年度基準2.9から2020年度基準1.8に大きく下落。少なくとも☆2つは欲しい。 - 設備の省エネ性
2014年度基準2.9から2020年度基準2.6に下落。☆3つを目指したい。 - 再エネ設備・電気
2014年度基準2.4から2020年度基準1.1に大きく下落。少なくとも☆2つは欲しい。 - 維持管理・劣化対策
2014年度基準1.8から2020年度基準2.7に大きく上昇。少なくとも☆2つは欲しい。
- みどり
2014年度基準2.0から2020年度基準1.5に大きく下落。☆2つを目指したい。
大手不動産7社の☆数(まとめ)
大手不動産7社(住友不動産、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)につき、各評価項目の2014・2020年度基準の平均☆数を表にまとめておいた。たとえば、三井不動産レジデンシャルの2014年度基準は、「再エネ設備・電気」は☆3つで突出しているが、「維持管理・劣化対策」は☆1つで他社よりも低いのが目立つ。
※「件数」は売主が1社単独物件に限らない。複数社の物件も含まれている。
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