12月6日に発行された「SUUMO新築マンション 首都圏版」はどっしりと重い。その厚さは1.5 cm。 前号の3倍ほどの厚みがある。なぜかと言うと、年末恒例の「【保存版】不動産会社ガイド」が含まれているからだ。
目次
「不動産会社ガイド」掲載ページ数ランキング
全648ページのうちの6割近く(448ページ)が「不動産会社ガイド」に費やされている。「不動産会社ガイド」には、各社の特徴とともに販売中の物件情報などが紹介されている。掲載ページ数が多い上位16社を可視化してみたのが次図。
三井不動産レジデンシャルが28ページでダントツ。次いで新日鉄興和不動産と野村不動産の24ページ。
上図を見て、「おやっ?」思った人は鋭い。じつは、上図には住友不動産と三菱地所レジデンスが抜けているのである。
「不動産会社ガイド」住友6年連続ゼロ、三菱も遂にゼロ
15年以降の、大京を除いたメジャーセブンの掲載ページ数の推移を可視化したのが次図。17年以降、住友不動産がスッポリ抜け落ちている。17~20年は住友不動産が抜け落ちただけでなく、不動産会社ガイドに係るページが減少している(19年2月5日号以降、SUUMOは隔週化された)。
さらに、20~21年は、三菱地所レジデンスが急減し、22年は遂にゼロ。その穴を野村不動産と東急不動産が補っているように見えなくもない。
「不動産会社ガイド」ページ数の配分、寡占から乱立に
「不動産会社ガイド」掲載ページ数の各社シェアにつき、16年と22年のデータを可視化したのが次図。16年には上位5社で5割のシェアを超えていたのだが、22年になると上位10社でないとシェア5割に達しない状況。
住友不動産と三菱地所レジデンスという大口スポンサーが抜けたあと、大手だけでなく中堅不動産が「SUUMO新築マンション首都圏版」を支えている構図となっている。
ネットSUUMOにあって、情報誌SUUMOにない物件
「SUUMO 新築マンション首都圏版」の発行者のスポンサー事情はさておき、読者として留意しておきたい点がある。メジャーセブン(住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)の物件がどの程度掲載されているのか、ということだ。住友不動産と三菱地所レジデンスを例に、ネット SUUMO と情報誌SUUMOの掲載状況をまとめてみた(次表)。
ネット SUUMOに掲載されているのは住友不動産が44件、三菱地所レジデンスが15件(22年12月10日現在)。一方、情報誌SUUMOの方には、両不動産とも後ろのほうの「物件情報データベース」のページには、ネット SUUMOと同じ物件がほぼ網羅されているものの、写真や間取りなどがついたメインページの方にはほとんど掲載されていないのである。
他の4社(東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル)についても掲載状況を調べてみたところ、住友不動産・三菱地所レジデンスほどではないにしても、ネットSUUMOに掲載されている物件が全て情報誌SUUMOに掲載されているわけではないことが確認できた。
メジャーセブンに限らず、各社とも「本広告」を打つタイミングに向けて、最も販促効果が高い時期に、情報誌SUUMOのメインページに広告を掲載しているということなのであろう。
したがって、情報誌SUUMOに掲載された物件を見ただけで惚れ込んでしまうと危険。ここは冷静になって、ネットSUUMO掲載された幅広い物件のなかから絞り込んでいくことが肝要だ。
(当初はもう少し違ったストーリーを描いていたのだが、データを深掘りしていくにつれて、当たり前の結論になってしまった……)
※【参考】「物件情報データベース」とは、「駅名」「物件名」「価格・面積・間取り」などが表形式で後ろのほうに掲載されているページのこと(次図)。
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