こんにちは!
ふじふじ太です!
お便り返しです。
差出人: 2023年以降の不動産価格
誰に答えて欲しいですか?
全員
メッセージ本文:
直近で政策金利の引き上げがあり住宅ローンか上がり、不動産価格が暴落するような煽りの記事をよく見かけます。
今回の金利引き上げは変動ローンには関係がなく原材料の高騰を考慮してもそんなにマンション価格の暴落はないのではないかと思うのですが知見のない浅い無責任な煽り記事が多く出てますので、プロの皆様のご意見をご教授頂きたいです。
お便り頂き有難う御座います。
マンションマニアさんに引き続き回答させて頂きます。
マンションマニアさんの回答はこちら↓↓
お便り返し その635「日銀利上げでマンション価格は暴落するの?」【マンションマニア】
まず結論ですが、暴落するかしないかと言われると、今回の金利の引き上げ程度で暴落することはないと私は思っております。
確かにネットを見てもSNSを見ても、マンション暴落芸人が水を得た魚のようにここぞとばかりに騒ぎ立ててPVを稼いでいるように見えますね。
景気不安が広がるとその類の暴落記事のPVは一気に伸びるらしいですから、今が大チャンスでしょう!
現在持ち家の方は、後ろ指を指されているような気持ちになっている方も多いかもしれませんが、そこまで気にされる必要はないと思います。
当然先のことはわからないので私も完全否定はできませんが、マンション暴落はかなり極論かなと思います。
マンションが暴落する時は、今後継続的に金利が上がりつつ、かつ政策金利(短期金利)も大幅に上がる時だと思います。
金利動向については多くの経済人の方が言及をしている通りで、今回の利上げはあくまで長期金利であるので、固定金利の住宅ローンは今後高確率で上がっていくと思いますが、短期金利(政策金利)は据え置きであるため、住宅ローンの変動金利には直接的な影響はないだろうという見方となっております。
住宅ローンの金利が何の影響を受けてどう決まってくるかという情報を正しく理解すれば、現時点ではそれほど慌てる必要はないということをご理解頂けると思います。
さて、とは言っても、10年続いた大規模金融緩和にメスが入ったという点では大きなニュースであり、不動産業界にとってマイナスのニュースであることに変わりありませんので、決して私も楽観視はしておりません。
景気とは文字通り「気」ですから、今後の不安で買い控えるという方もいらっしゃると思いますので、今までのような「猛烈な需要の勢い」に少々ブレーキがかかってくる可能性がございます。
加熱し過ぎた景気(不動産市場)に冷水をかけて常温に戻そうとする動きという訳です。
利上げというのはそういうものです。
過去3年間で湾岸エリアの不動産価格は30%以上の上昇となりましたが、現場の感覚的にも、確かに加熱し過ぎ感はありました。
湾岸だけでなく都心部のマンションもそうですが、とんでもない値上がりをしたのは周知の事実です。
湾岸不動産価格の値動きは以下ブログをご参照ください。
↓
成約単価過去最高値更新!湾岸エリア2022年10月迄の最新状況アップデート!
不動産界隈にいる私の視点でいうと、今回の利上げの捉え方は、
「加熱しすぎた不動産市場に対して、ちょこっと冷水をかけてみた」という感覚です。
つまり、これ以上価格が上がらないように不動産価格上昇の勢いを抑えるフェーズにいるということです。
この利上げが不動産価格をさらに押し下げていくほどのインパクトがあるかというと、そこまでではないかと個人的に思っております。
もっと言うと、不動産は経年で価格が下がっていくのが当たり前ですので、価格が下がるのが通常モードな訳です。
今までの値上がりが異常で、これからは通常モードに近づけるというイメージです。
マンマニ先生も言っておりますが、どちらかというとこの利上げよりも、私は湾岸2024年問題の方が心配です。
逆に今までのように金融緩和を継続するということは、物件価格の値上がりを手助けするようなものですから、そうなるともはや誰も喜ばないのではというレベルに達しつつあったのかもしれません。
今売却をしている売主さんはハッピーかと思いきや、次が買いたくても買えないというジレンマに悩まされている方も少なくありません。
日本政府が不動産価格の上昇を抑えたいという狙いは、2022年の住宅ローン減税の縮小という政策をみても明らかでしたが、それでは全く足りなかったのでしょう。
そこで、日銀は長期金利だけを少し上げて市場の反応を伺っているのかもしれません。
この日銀の対応については、今年の10月の湾ナビコラムに書いた通りで想定内の動きですので、特に慌てるほどのことでもありません。
その市場の反応次第で、今後の利上げを加速させるのか、維持するのか、やっぱり緩和するのかを決定していくのでしょう。
ここからは私の私見が強いですが、日銀はこの冷水をかけ過ぎることを極端に恐れていると思います。
日銀・日本政府は不動産価格を暴落させたいという訳では決してありません。
まずは不動産相場の上昇を抑えて安定させたいはずです。
間違って冷水をかけすぎると、それこそ1990年のバブル崩壊の二の舞になってしまいますので、同じ過ちは犯すまいと利上げには非常に慎重な姿勢が垣間見えます。
今の日本経済や住宅価格が維持されているのは、良くも悪くも日銀のマイナス金利(低金利)がベースになってしまっております。
特に政策金利(短期金利)の利上げには慎重で、その証拠に今回の利上げにはそれは含まれておりません。
現状、日本は賃金が上がることもなく、日銀が想定しているインフレ率を達成しておりませんので、基本的には「景気は良くない」状態にある中で、政策金利を大幅に上げるということはどうも考えにくいです。
当然絶対に上がらないということはないですが、上げるにしても慎重に操作していくと思いますので、現状で過度に不安になる必要はないと考えます。
つらつら長くなりましたが、これから不動産の購入をご検討されている方へのアドバイスは以下の通りです。
■住宅ローンは基本的に変動金利がお勧めで、その代わり金利が少々上がっても耐えられるくらいの余裕をもった返済プランで購入物件を選ぶこと
これが今できる最大限のリスクヘッジだと思います。
ポジショントークと言われる覚悟で言いますが、一番良くないのは、「今後価格が下がりそうだから買わない」という選択です。
少々厳しい言い方をすると、経験上、価格が下がりそうだから買わないという方は、価格が下がっても買えません。
そういう方は、価格が下がった時にはこれからもっと価格が下がるのではないかという心理に捉われるからです。
では価格が底を打って、これから上がるというタイミングはいつか?
それを見極めるのもなかなか難しいですし、何年先になるかわかりませんよ。
時間は有限です。
気に入ったマンションがあるのに、不確実な将来を不安視して待つというのは得策ではないと思っております。
コントロールできないものに思い悩むのではなく、今自分自身ができる最善の選択をすることが重要です。
必ずしもそれが購入とも限りませんので、もしお悩みがあればいつでもご相談お待ちしております。
価格が下がってもいいと思えるくらいの気に入ったマンションに出会えることが一番ですね!
読書の皆様が住まいを通じて素敵な人生を送れることを応援しております!
本日は以上となります。
ご購読頂き有難う御座いました。
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大高の予想に反して、今の段階で金融政策の調整に手をつけたということは、マイナス金利の解除も新総裁の体制下でやる可能性が高まったとの指摘もありますがいかがでしょうか??
現在の当座預金残高を踏まえるとQTを経ずにプラス金利への利上げは難しそうですが…。
コメントありがとうございます。
そうですね、黒田総裁の退任のタイミングでさらに金利が上がる可能性も当然あると思います。
こればかりはわかりませんが、上げるにしても慎重にという姿勢は変わらないと思うので、アメリカのように継続的にガンガン金利を上げるという可能性は低いと思っています。
今までの経緯だと、短期金利の利上げは過去事例がありますが、どれも失敗に終わってますからね。
多少の短期金利の利上げも覚悟しておくべきだと思いますので、それでも問題ない返済プランを組んでおけると良いですね。
>もっと言うと、不動産は経年で価格が下がっていくのが当たり前ですので、価格が下がるのが通常モードな訳です。
この感覚自体が、デフレ下というか経済成長が年率2%に満たない状況の失われた30年の日本独特のものですよね。
たしかに、経済成長がゼロの前提ではマンション価格は経年1年ごとに1%から2%程度落ちていく感覚値ですよね。
毎年経済が2%成長して、物価も賃金も2%上がっていく「正常な世の中」になると、新築マンションの売出し価格も毎年2%ずつ上がっていきますよね。そうなると、中古マンションは「相対的には」例えば1.5%程度価格が下がりますが、絶対的には0.5%程度価格が上がるとも考えられますよね。
そういう、正常な世の中の入り口にようやく日本が戻ってきた、と考えるのはわたしの妄想でしょうか?
素晴らしい的確なコメントありがとうございます!
今の世界基準と比較をしても、日本がいかに独特であるかが良くわかります。
いわゆる、デフレ脳が浸透し過ぎているというものでしょうか。
正直私も含めてですが、モノの値段が上がっていく、紙幣価値が下がっていくという感覚がほとんどない方が多いと思います。
その価値観はすぐには変わらないと思いますので、なかなか通りがかりさんが思う正常な世の中にはなりにくいかなと個人的には思っております。