新築マンションが竣工してから入居できるようになるまで、どのくらいの日数がかかるのか?
LIFULL HOME’Sに掲載されている東京23区の新築マンションを対象に、マン点による独自調査の結果を大公開……。
目次
読者からの質問:竣工から入居まで、どのくらいの日数?
しゃちさんからの質問。
気になっている新築マンションがありますが、まだホームページができていません。
竣工時期は建設現場の看板からわかっているのですが、一般的に竣工から入居まではどのくらいかかるものでしょうか。
宜しくお願い致します。
23区新築分譲マンション、マン点独自調査
調査方法
LIFULL HOME’Sで東京23区の新築分譲マンションを検索すると225件ヒットした(2月15日現在)。225件のうち竣工済みを除いた132件を対象に、「完成時期」と「引渡し可能時期」との差を調べてみることにした。
6割を超えるマンション、完成後2か月以内に入居可能
東京23区の新築分譲マンション132件について、「完成時期」と「引渡し可能時期」との差に係る頻度分布を描いてみた(次図)。約1か月以内の物件が最も多く全体の35%。次いで多いのが1か月超2か月以内が29%。
さっくり言えば、6割を超えるマンションは完成後2か月以内に入居可能になっているとうこと。
逆に言えば、2か月を超えるマンションについては、その理由が合理的であるか否か、営業に確認したほうがよいだろう。
「竣工時期」と「引き渡し可能時期」のに差が生じる要因分析
マンションが既に完成しているのにすぐに入居できない期間が生じる要因として、一般的に考えられるのは主に3つ。- 外構工事(門扉・フェンス、駐車・駐輪場、植栽、外灯、遊具、敷地内のアスファルト工事、マンション敷地の入り口からエントランスまでのアプローチに係る工事など)に要する期間
※竣工とは、当局による竣工検査に合格し、検査済証を受領していることを意味する。上記に列挙した外構工事は必ずしも検査範囲に含まれているわけではない。 - 売主と入居者との間で交わされる諸々の手続き(内覧会後の手直し工事を含む)に要する期間
- 棟内の清掃、管理人やフロント係の教育、共有施設の備品整備など、入居者を受け入れるための準備期間
「総戸数」と「完成時期と引渡し可能時期の差」の関係を可視化したのが次図。
総戸数が多いほど、売主と入居者との間で交わされる諸々の手続きや入居者を受け入れるための準備などに日数を要するのかと予想してみたが、必ずしもそうではないようだ。
「階建て」と「完成時期と引渡し可能時期の差」の関係を可視化したのが次図。
階建てについても、総戸数と同様、「完成時期と引渡し可能時期の差」との相関は高くないことが確認できる。おそらく物件ごとの個別事情が与える影響のほうが大きいのであろう。
念のため「引渡し可能時期」と「完成時期と引渡し可能時期の差」の関係を描いてみたところ、興味深い事象が可視化された(次図)。
24年4月前後の「引渡し可能時期」物件(ピンク直線付近)をひも解いてみると、引渡し可能時期が年度をまたいでいる物件が散見される。単にゴールデンウイーク中の引越しに間に合うように年度またぎにしただけなのか。利益を次期以降に先送りするために年度またぎにした物件はないのか……。
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