中受はもちろんお受験組も見学必須! 築地外国人居留地の碑とマンションを巡る(前編)

人間ドックの季節

3/3ひな祭りとは関係なく、毎年この時期恒例の聖路加国際病院の人間ドックに行ったところ反応が。(40歳以上の方は経験あるかもしれませんが、年度末は人間ドックが非常に混雑します)


聖路加は、亡くなった日野原先生が人間ドックをはじめた病院のひとつですね。

聖路加国際病院付属クリニック 予防医療センター 施設紹介

そして、同じ明石町で複数同時期にはじまったものが私立学校です。ドク=マン・ケノービさんからお題が。



いやいやサラっと書かれてますがリンク先には小学校の有無とか細かいことはなにも書かれてませんがもはや常識?(笑) マンクラは中受組もお受験組も聖地巡礼してお勉強しないと!と人間ドック終了後に取材してきました。

前提知識

今回は、教えていただいたリンクの学校発祥の地にある碑とともに、私が明石町かいわいで印象に残っているマンション&歴史的建築を巡ることとします。

中央区民マガジン 築地外国人居留地(現:明石町)学校発祥の地を巡るより:


築地駅からほど近い聖路加国際病院の周辺は多くの学校の発祥の地となっています。
慶應義塾をはじめとして、青山学院、女子聖学院、明治学院、雙葉学園、関東学院、立教女学院、立教学院、女子学院などの幕末から明治期にかけて次々と設立されました。

ドックがある聖路加タワーからスタートの前に少しお勉強。

【旧:慶学サロン】建築作品から学ぶ集団規定 vol.6-聖路加国際病院・三井本館×法60条特定街区 より:


建替え費用を出すために、約4,000坪ある病院の敷地の一部を売り払う話も出てたそうですが。それだと、建替え費用が一回出て終わりになってしまって、また何十年か後の建替えはどうするんだ?ということになりかねないと。
それで、特定街区で、低容積の部分の容積を第3街区に集めて、第3街区で定期借地という不動産手法を使って事業費を捻出することにした、と。
たまたま法律の改正があって、複数街区で特定街区がかけられるようになったとか、容積移転ができるとか、歴史的建築物がある場合の考え方なんかが明確になったとかで、事業自体が可能になったそうです。

聖路加の建て替えスキームについて一級建築士試験に出題されたとのことで、マンションではありませんが参考になります。ざっと要約すると次のとおり。

  • 第1街区:建築上、価値が高い旧館やトイスラー記念館は保存し、聖路加看護大学も敷地内に建設した
  • 第2街区:新館を建設、ほぼ完全個室で早期にLDR(出産施設)を備えブランド産院御三家とも呼ばれる
  • 第3街区:50年定借のツインタワーを建設しお金が継続的に入る仕組み構築、人間ドックはこの低層にある
リンク先にも書いてありますが、聖路加は正式には「せいるか」と読みます(“St.Lukes”=”聖ルカ”なので)

明石町緑道沿い

明石町緑道からスタート。築地外国人居留地はほぼ現在の中央区明石町で、明石町は住所の表記に”丁目”がないですね。

明治学院

いきなり聖路加タワーの隣、ドラッグストアの片隅に「明治学院発祥の地」の碑が。

明治学院は1877年(明治10年)ここ旧築地17番地に開設された東京一致神学校を基とする これを記念しこの日を建てた

明治学院の碑

明治学院の碑


ちなみに明治学院白金キャンパス・明治学院高等学校は、高輪ザ・レジデンスとシティタワー高輪の向かいにあります。

明治学院大学白金キャンパス・明治学院高等学校

明治学院大学白金キャンパス・明治学院高等学校


ブランズ明石町

中央区に戻り、お隣はブランズ明石町。

ブランズ明石町
東京メトロ有楽町線 新富町駅 徒歩6分
築年月2017年4月
地上12階 総戸数66戸

ブランズ明石町

ブランズ明石町


2017年築で明石町エリアのマンションとしては比較的新しいですね。外観は、低層バルコニーの色味を変えグリッド感を強調しています。明石町は付近にお店が少ない環境ですが、本物件は駅からやや離れるものの隣のドラッグストア、聖路加タワー内のショップ、食品等は道を挟んで向かいにまいばすけっとがあり、生活利便性が高いです。

女子聖学院

少し歩くとかわいい感じの女子聖学院の碑。中受業界では共学化や偏差値一辺倒の流れには乗っていないですが、120年近い歴史を持ちます。

女子聖学院の碑

女子聖学院の碑

青山学院

さらに少し先に「青山学院記念の地」の碑。青山学院(リンクは大学・大学院)は説明不要と思いますが、幼稚園・小学校からあり芸能人のお子さんも数多く通われるいっぽう、中学受験でもとくに女子は高偏差値となっています。

青山学院記念の碑

グランスイート明石町

ふたつの碑の前に分譲マンションはないので、お向かいのグランスイート明石町をチェック。

グランスイート明石町
東京メトロ有楽町線 新富町駅 徒歩5分
築年月2004年2月
地上11階 総戸数150戸

グランスイート明石町

グランスイート明石町


築20年近く経ちますが、大規模修繕もなされており美しいヨーロピアンテイストのファサードが印象的ですね。ファサードから奥まったエントランスはこんな感じ(入ったことはないですがロビーも2層吹き抜け)。

グランスイート明石町エントランス

グランスイート明石町エントランス

居留地中央通り沿い

続いて、碑のメインストリートとなる居留地中央通りへ。

雙葉学園

2つのハート型が向かい合った雙葉の碑。

徳に於ては純真に 義務に於いは堅実に 明治四十三年 雙葉学園発祥の地

雙葉の碑

雙葉の碑


雙葉学園は、女子御三家では東大実績が少ないためかやや目立たなくなっていますが幼稚園・小学校があり、それゆえか医学部医学科進学率も高いです。

関東学院

少しだけ離れて「関東学院の源流 東京中学院発祥の地」。

東京中学院発祥の地

東京中学院発祥の地


関東学院大学は、ちょっと以前だと箱根駅伝で有名…と書きかけたら最後に出場したのは2004年でした。いまだと小泉進次郎さんの出身校で有名ですね。東京中学院が源流の一つで、実は(失礼)歴史ある学校。

オーベル明石町レジデンス

東京中学院の写真に写っていますが、2つの碑から居留地中央通りをはさんだ向かいにあるのがオーベル明石町レジデンスです。

オーベル明石町レジデンス
東京メトロ有楽町線 新富町駅 徒歩3分
築年月2014年2月
地上12階 総戸数88戸

オーベル明石町レジデンス

オーベル明石町レジデンス


88戸と小ぶりにしては、スーパーゼネコン大成建設のハイブリッドTASS構法による免震が特徴のひとつ。エレベーターが44戸に1基づつあり、その関係で両面バルコニーのお部屋もあります(参考:モモレジさんブログ)。新富町徒歩3分の利便性もよいですね。

なお、以下には具体的なマンションの話はないのでご興味がない方はここまでで結構です。

暁星学園

居留地中央通りをレトロな明石小学校からオーベル側に渡ると、これも居留地らしいカトリック築地教会の前に「暁星学園発祥の地」の碑。ここまでのマンションもブランズ明石町などクリーム色系の建物が多かったですが、当時のアメリカ公使館をはじめクリーム色の建物が多かったようですね。(参考:ガスミュージアムブログ)

暁星の碑から明石小を望む

暁星学園発祥の地の碑から明石小を望む


暁星学園は、東大進学数至上の中受では昔に比べ偏差値をかなり落としています。が、135年の歴史を持つ伝統校として雙葉同様に幼稚園・小学校を備える流れか、医学部医学科の合格率ランキングでは堂々の2位を誇ります。

立教女学院

聖路加の第1街区には碑が3つあります。まずユーミンでもおなじみ立教女学院

立教女学院の碑

立教女学院の碑



立教女学院は時代の流れで短大が閉学となり、現在は高校から立教大学へ7割進学するため付属校ブームもありサピックス偏差値50程度と準難関校のようです(50で難しいのがそれはそれで異常)。こちらも小学校からありますね。

聖ルカ通り

同じ聖路加の敷地内ですが90度曲がって聖ルカ通り沿い。

立教学院

MARCHの一角、立教大学を擁する立教学院は、もともと成り立ちが上記の立教女学院とは別で現在も別法人です。

立教学院の碑

立教学院発祥の地の碑


付属するのは立教池袋中学・高校、立教新座中学・高校で、池袋には立教小学校もあります。

女子学院

聖路加敷地内の最後は中受女子御三家の一角、JGで知られる女子学院

女子学院発祥の地

女子学院発祥の地


自由な校風で知られ、男子の麻布とよく並べられているかと。JGは小学校はないですね(男女御三家で小学校があるのは雙葉だけ)。

JGの碑は他校に比べると写真のとおり巨大なのですが(幅だけならお隣の聖路加のものと同じくらい)、右横のプレートを見ると次の記述が。

発祥の地である旧築地居留地6番には、既存の建築物があるため、学校法人聖路加看護学園のご厚意により、ここに設置した。

聖路加、全体の容積率に余裕があるとはいえなんと気前がいい…と思ってGoogle Mapを見ると「StLukes リバーサイドハウス」とありました。なんのことはない、聖路加の寮を建てたからということのようです。

せっかくなので敷地内を散策。

聖路加旧館

建築的価値が高いため残された、中央にチャペルがある旧館。

聖路加旧館

聖路加旧館


アントニン・レーモンドが基本設計、施工は清水組(現在のスーパーゼネコン清水建設)です。私がリノベーションでお世話になった建築家さんもレーモンドの流れを汲むので縁を感じます。

ちょうど写真左に写っている方が「女子学院などの碑が…」と説明を受けられていました。聖路加国際大学(旧:聖路加看護大学)に入学予定or入学希望の父娘さんでしょうか。いまや看護師を目指すには四年制大学が普通となり、聖路加国際大学は慶應の看護医療学部と並び難度が高いようです。


トイスラー記念館

詳細はこちら。こちらも清水組が手掛けたもので、裏手奥に見える聖路加タワー付近から移築されています。清水建設の本社は中央区にあり、すぐ裏に見える聖路加国際病院の新館も清水組が施工しています(聖路加タワーも他社とのJVで関与)。

トイスラー記念館

トイスラー記念館


写真左の植え込みに半分隠れているのは、聖路加ガーデンレジデンスあたりにあったアメリカ公使館跡から移設された記念碑

アメリカ公使館の石

アメリカ公使館の石


一帯が居留地になる前は武家屋敷で、東京の変化の大きさが感じられます。住む場所として、歴史が長いことが実感できるのも明石町の魅力になりますね。長くなりすぎたので後編に続きます。

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港区湾岸タワーマンションに在住の計算機技術者(でありたい)。 23区では同エリアしか居住経験がなく、いまも湾岸エリアで評判のMRは見に行っています。 自分の新築リノベーション経験を振り返りつつ、主に湾岸を中心に常に変化し続ける街の情報などを追うことで、次のリノベーションへのヒントを得ようという目論みです。

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