2008年に起こったリーマンショックに端を発する不況はいったん回復の兆しを見せるものの、2011年の東日本大震災で打撃を受け、本格的な景気回復は2012年末の第二次安倍政権によるアベノミクスを待たなければならなかった。アベノミクス、金融緩和、東京五輪決定と株価もマンション価格も多少の上下はありながらおおむね上がっていったのは皆さん知っての通り。アベノミクスが始まってから7年超の2020年、リーマンショックから13年目、順当に行けばもうそろそろリセッションが来るかと思われたころに起こったのが新型コロナウイルス。緊急事態宣言等経済を一時的に止める代わりに各種補助金、財政出動、持続化給付金、10万円のお金配り、と貨幣が市場にあふれてしまい、インフレが一段と進み、さらに2022年からのウクライナ侵攻も物価高に拍車をかけた。終わるはずの好景気が様々な事情でなぜか続いている状況である。
サッカーで例えるなら、2020年に後半45分が終わって数分のアディショナルタイムを経てゲームが終わる予定だったのが、10分経っても20分経ってもアディショナルタイムが終わらず、選手たちも変だな変だなと思いながらプレーして、なんであの黒田って審判は笛を吹かないんだろう(最近審判は植田という人に交代になった)と訝しんでいる状況に近い。数分で終わるだろうとベンチに引き上げた選手たちも全然終わらないのを見てピッチに戻ってきた。椅子取りゲームの最終局面で取れる椅子が多いように景気の最終局面での値上がりや株価の上昇が急ピッチであることは知られている。なのであまり先にポジションを解消したりショートポジションを取ったりすると得られるべき利益を見逃したり手痛い損失を受けることも多い。不動産事業者は止まれば死んでしまうのでブレーキの位置だけちゃんと確認しながらアクセルを踏み続けるしかない。倒産への道は最高益で舗装されている、と言われるのもそのためである。
売上を出している営業やイケイケで買っている空中族はリーマンの時まだ子供でしたとか学生でしたという不況を知らない若い世代も多い。湾岸のMRが閑古鳥だったころやMR訪問でクオカードがもらえたころの話をしたらウザがられるのだろうが、昔の安すぎる価格表の時代はそんな雰囲気のころだった。今は半年買うのが遅れれば値段が一段上がる、機会損失、早よ買え!ってなもんだが、当時は数か月待てばまた値段が下がる、だからあの価格表でも売れ残る、シティタワー麻布十番も先着順、パークコート麻布十番もキャンセル住戸が出る、今からすれば信じられないような時代だった。不況を知らない世代が不況に備えることができないように、不況を知る世代がイケイケで踏み込むこともできない。これはいい悪いではなくて行動が経験に左右されてしまうだけの話。
マンション価格が高いのも悪いことばかりではない。再開発の事業化がうまく行ったり、普段売らない地主が売ってくれたり、思わぬ好立地の物件が開発されることもある。相手の能力や稼ぎや容色を評価して結婚するのではなく、苦労を共にできるような相手と結婚せえという話と同じで、資産価値期待やコンクリ貯金といった夢が全部はがれてもこの物件気に入ったからええんやと言えるといいですね。
とりあえず今日は「2020年以降=アディショナルタイム」で2020年に終わるはずの好景気が各種政策でなぜか続いてて黒田と植田が笛吹かないから20分くらい続いてるけど45分まるまる続くかもしれない、ということだけ覚えて帰ってください。
現実に取引される価格が正しいのはわかってるけど、平井が坪400か~心が二つある~編については次回以降やるかも。
ちょっと何が言いたいかわかりませんでした…
2020年に好景気が終わるはずだった理由というのが「アベノミクスが始まってから7年超の2020年、リーマンショックから13年目、順当に行けばもうそろそろリセッションが来るかと思われた」から、というだけですもん。
オリンピックとかコロナとかの明確な区切りでなく2020年という区切りには何の意味もないのですから何言ってるかわからないのは当然かと。
二十世紀の時代からマンションを買ったり売ったりして、空中族の端くれとなった身の私としては
おっしゃりたい事が分かるつもりです。