晴海フラッグの転売価格を可視化してみた

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周辺の湾岸エリア物件と比べて格安な晴海フラッグ。転売ヤーの参入によって、実需用の人に行きわたらないことが社会問題化している。

東京都が販売事業者と協議した結果、1人の名義で申し込めるのは2部屋までとする制限が設けられることになったのだが、効果のほどはいかに。

5年以内の売却禁止条項を設けるくらいのことをしないと、この問題を解決するのは難しいと思うのだが……。

転売価格を俯瞰する

当初の販売価格にかなりの額が上乗せされて転売されているケースがあるという。実際のところはどうなのか。

まずは、転売価格の水準をザックリ可視化してみた。

横軸を専有面積、縦軸を価格(当初販売価格、転売価格)として描いた図をみてほしい。当初販売価格よりも転売価格が高い状況が一目瞭然であろう。

晴海フラッグ、当初販売価格と転売価格

【メモ】データの出所は次の通り。

当初販売価格

  • 「マンションコミュニティ」には、晴海フラッグに係る当初販売価格を記した「価格表」(全物件が網羅されているわけではない)が掲載されている。2,263 戸数(6月22日現在)の内訳は次の通り。
    • PARK VILLAG
      A棟83戸、B棟284戸、C棟312戸、D棟70戸、E棟99戸、F棟179戸
    • SEA VILLAGE
      A棟227戸、B棟115戸、C棟104戸、D棟281戸、E棟33戸
    • SUN VILLAGE
      A棟58戸、B棟142戸、C棟101戸、D棟52戸、F棟123戸
転売価格

転売12戸、上乗せ率は最大で88%(+7,830万円)

SUUMOに掲載されている転売住戸15件(6月22日現在)のうち、当初販売価格が分かっているのは12件。

12件の転売価格への「上乗せ率」(={転売価格-当初販売価格}÷当初販売価格×100)を計算し、可視化してみた(次図)。

晴海フラッグ、転売価格の内訳
上乗せ率は最大で88%(+7,830万円)、最小でも42%(+2,940万円)。平均65%(+4,464万円)のボロ儲け状態である。

ただし、転売価格は成約価格ではない。あくまでも転売ヤーの希望価格である。今後転売住戸が増えていくと上乗せ率は低下するのか。株価が与える影響も少なくないだろう。

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一級建築士/マンションアナリスト/長寿ブロガー(19年超)

2 件のコメント

  • ヒヨコのマンション評論家 より:

    まさにvultureそのものですね。 彼らに 徳 などひとかけらもないのでしょう。

  • より:

    >周辺の湾岸エリア物件と比べて格安な晴海フラッグ。
    と言われるのは分かりますが、周辺物件は20階建て以上のタワマン物件なわけでして、
    駅からの遠さも随一でしかも非タワマンである板マンを、
    駅からより近いタワマンと、同じ土俵で価格を比べるのは如何かと思います。

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