こんにちは。こうです。
お久しぶりですが、お便り返しです!
差出人: パーマン
誰に答えて欲しいですか?
こう
メッセージ本文:
名古屋市内の中古マンションについて。
はじめまして。
当サイトにて楽しく勉強させてもらっております。
そろそろマンション購入を検討しており
チラホラ見て回っております。
ここ数年の中古マンション市場を見るとだいぶ高い気がしますが、
ただ金利が安く買い時でもある気がする一方、変動金利である以上
こう様のご意見や今後の展望をお聞きしたいです。
因みに検討している物件は以下二件です。
①名城線/自由ヶ丘/ラグナヒルズ
②東山線/本山/プラウド本山鹿子町
70平米以上希望です。
夫婦+子供一人を想定しております。
(※編集部追記:[掲示板] ラグナヒルズ、プラウド本山鹿子町)
パーマン様、ご指名のお便りありがとうございます。
名古屋のマンションは買い時なのか?それとも静観した方がよいのか?というご質問ですね。現在の相場上昇と将来の金利上昇リスクを考えると余計にわからなくなると。
まず、事実確認として、中古マンションの価格推移を見てみましょう!
出典:【2023年6月】三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移
こちらのグラフは、主要都市毎、70㎡換算の中古マンション価格の推移グラフになります。
(ちなみにこちらのデータ発表時にさいたま市が横浜市を抜いたことが話題になりましたね。)
2017年から2023年現在まで、すべての各都市で価格が上昇していることがわかります。東京と名古屋を抜き出すと
東京23区 : 5,317万円 → 6,939万円(+30.5%)
名古屋市 : 2,118万円 → 2,818万円(+33.1%)
どちらも30%以上上昇してますね(意外に上昇率は名古屋の方が高い!)
こちらを前提にご質問にお答えしますね。
リスクの顕在化影響は地域によって多く異なる
ここ数年の中古マンション市場を見るとだいぶ高い気がしますが、
買い時ではなく静観が一番でしょうか。
はい、上記の通り、ここ数年の価格は上昇していることは確かです。しかし、上昇していること以外にも注目すべきポイントがあると思います。
それは、上記の抜き出した数値を見てもらえれば一目瞭然ですが、名古屋の価格を1とすると23区は2.46倍ですので価格帯は全く異なる点です。
また、年収倍率(物件価格/世帯年収)は以下となります。
東京都: 11.0倍 (6,939万円 ÷ 629.7万円)
愛知県: 4.6倍 (2,818万円 ÷ 613.4万円)
出典:都道府県別平均年収ランキング【令和2年度調査結果】
つまり、東京と名古屋で「所得」はさほど変わらないのに、物件価格は大きな開きがありますので、一般のサラリーマンがローンを利用して不動産購入する場合、名古屋の方が比較的”安全”だということです(もちろん、価格も、年収も”平均”の数字で、地域も若干ズレてますから、必ずしも実態を正確に表しているわけではありませんが傾向はつかめると思います)。
例えるなら、東京での不動産購入が「カイジの鉄骨渡り」で、名古屋は「体操競技の平均台」。
ただし、上記の”安全”とは、あくまでローン支払いの延滞リスクについての観点になります。
いまだに多くの人が集まり続け、圧倒的に土地が枯渇している東京圏と、岐阜方面&三河方面の通勤可能圏内にほぼ無限に土地のある名古屋圏では、不動産価値は月と鼈です。投資的な観点では、価格が脳び続けるであろう東京がどう見ても安牌ですので。
ちょっと話が逸れましたが、日本全体で不動産価格のダウンサイドリスクが同等にあったとしても、顕在化した場合の影響が少ない名古屋については”買い”のスタンスで問題ないと考えます。
待つというのも1つの手
名古屋は”買い”という結論に覆すようですが、特別に欲しい物件がないのであれば、待つというのもアリだと個人的には思います。前述の通り、年収倍率から考えて一般のサラリーマンにとって東京の価格は目いっぱいであり、”相場の落ち着き”や”竣工が数年先の注目物件の購入”を目的に住宅購入を待つというのは最大の愚策です。なぜなら、現時点で購入が可能だとしても、待っている間に価格がさらに上昇して、物理的に購入が不可能な価格なってしまう危険性があるからです。
対して、名古屋ではあれば、多少価格が上がったとしても、買えなくなるまでの価格水準になることは考えにくいため、無理に買う必要はないとも言えます。
もちろん、今後も価格が安定する(大きく下がることはない)と想定するのであれば、特に一次取得の場合は賃貸の支払いをローン支払いに充てることができますから、早く買うことはそれ相応のリターンがあることも確かです。
むやみに待つことは避けるべきですが、あくまで東京のように焦って買うことはないということです。
下手に変な物件を買うよりも、相場や個々の物件の強みを十分に把握してから購入する方がよいと思います。
金利が上昇すればマンション価格が下がるって本当?
ただ金利が安く買い時でもある気がする一方、変動金利である以上
今後上昇するリスクもあったりよく分かりません。
ご質問者様は金利が上昇リスクがあるからマンション価格も下がるリスクがあるとご認識されてますが、本当にそうでしょうか?
「なに言ってんだ!そんなの当たり前だろ!みんな言っているし!」
という声が聞こえてきそうですね。
ではデータを見てみましょう!
出典:「金利が上がると不動産価格は下がる」は本当か?
ほら、見たことか!金利が下落しているから、不動産価格は上昇。。。していない!!
確かに2014年から金利と価格が反比例しているようですが、長期的には金利が下がって価格も下がっているんです。
上記出典元の著者によれば、米国市場ではセオリー通りに金利と価格は反比例するようですが、日本の場合は、金利上昇よりも、市場に流れるお金の量が大きく関連しているのではと。
というわけで、必ずしも金利が上がれば、価格が下がるということは言えないわけです。
加えて、個人的な考えですが、金利上昇による価格の下落はローンを借りる場合の支払い額が上昇し買える人の少なくなる(予算が減る)というロジックになりますが、これも年収倍率に比較的余裕のある名古屋圏の場合は影響が比較的軽微なのではと。
つまり、金利上昇の観点でも、名古屋の場合はそれほどビビることはないかと思いますね。
検討物件について
①名城線/自由ヶ丘/ラグナヒルズ
②東山線/本山/プラウド本山鹿子町
70平米以上希望です。
夫婦+子供一人を想定しております。
挙げられた候補であれば、個人的には総戸数300戸の大規模マンションの「ラグナヒルズ」の方がおすすめです!総戸数は大事です(これ以上は言いません!察してください!)
まとめ
常日頃から思っていたことですが、金利上昇や不動産相場のニュースや論評はたいてい東京(首都圏)を前提にしていることが多いですから、それをすぐに他の地域に当てはめてしまうと間違った結論を導きだしてしまう恐れがありますので注意が必要です。もちろん、未来のことは誰にもわかりませんが、ニュースの強い言葉やセンセーショナルな見出しに惑わされることなく冷静に判断していきたいですね。
それでは、また!
なぜ「総戸数は大事」という所は察しないといけないのでしょうか。一般論としては、総戸数が多いと財政基盤が強くなり、マンション管理や修繕がやりやすい、という事があると思いますが、それ以外に何か言えないような事があるのでしょうか。
コメントありがとうございます。
AとBの物件を検討していますに対して、私はAは総戸数が多いのでAがおすすめですと回答しました。ではBは。。。察してくださいという意味です。
ガウス様かおっしゃっている通りです。
よく言われる修繕費や管理費、設備のスケールメリット以外に何があるのでしょうか。(察することができなくてすみません)
変に濁していると、そのマンションに問題があるのでは、と推測してしまうのですが違いますか?
コメントありがとうございます。
AとBの物件を検討していますに対して、私はAは総戸数が多いのでAがおすすめですと回答しました。ではBは。。。察してくださいという意味です。