本日も悩める子羊からの相談メールを読みますよ?
差出人: 都内マンション検討中
誰に答えて欲しいですか?
全員
メッセージ本文:
【属性】
世帯年収:1,600万円
└夫29歳 年収600万円
└妻29歳 年収1,000万円
貯金額:1,900万円
└夫 1,600万円
└妻 300万円
都内勤務
妻は来年出産、もう一人追加で子供を考えています。
ローンはペアローンで35年、頭金は私の財布から1,000万円出す予定です
【検討中の物件】
(個別性が高いため、スムログ上では非開示といたします)
【懸念点】
都心エリアでXX円は魅力的なのですが、以下で悩んでおります
・地下住戸、メゾネットタイプ、コーポラティブハウスという部分が立地を入れてもリセールバリューにどの程度悪影響を与えるのかがいまいち読めない
└営業マンは好きな人には刺さる、と言っていますがあまり信じていません
・万が一妻が働けなくなった場合、キャッシュフローがショートする恐れがある
・子供の費用が嵩むことを考慮すると、無理をしていないか不安
・地下住戸のため水害リスクも懸念点
└今まで水害トラブルは一度もなかった、ドライエリアもあるため湿気は2年目以降は気にならない、など聞きましたが、リスクとしては圧倒的に他物件より高いと思っています。
コーポラティブハウスですが、極力リセールへの影響が少なそうなデザインにしようと思っています。
この市況で同じようなリセールしやすそうなところを探すのは、私にとっては至難の技です。
いかがでしょうか。忌憚なきご意見をいただけると嬉しいです。
コーポラティブハウスとは、分譲マンションと注文住宅の間のような存在です。悪く言えば「集まった人たちみんなで個性的な長屋を建てる」、良く言えば「制約条件の中で予算を抑えながら、注文住宅のような住まいを実現できる」というものです。
分譲マンションのビジネスは、【土地価格+建設費用+デベロッパー販管費と利益】となりますが、コーポラティブハウスは、デベロッパーではなくコーディネート会社が、参加希望者を集めて建設組合を作り、その上で建てることになります。このため一般的な話で言えば、新築分譲マンションよりも安い費用で住まいを取得できます。質問者の「都内マンション検討中」さんの物件を、もし同条件立地の新築分譲マンションで同じ広さを買おうとしたらもっと高い値段となるでしょう。
デメリットもあります。
・分譲マンションのメリットである”均質化”されていること、それを放棄することになる
・建設組合に参加する人を集めてからスタートするため、入居まで時間がかかる
・より密接な運命共同体に参加するため、コミュニティクラッシャーがいると苦労する
・注文住宅と同じで”施主のこだわり”は、リセールに反映されない
・募集の価格はスケルトンのため、内装費用はまた別で費用は膨らむ傾向にある
といったところでしょうか。
まず今回ご相談があったコーポラティブハウスは、住宅地として3階建。その中で今回ご検討の間取りは、「メゾネットタイプ」「1FとB1F」「地下部分のほうが大きい」という属性があります。
土地の値段は、建ぺい率と容積率、つまりその土地から作り出せる床面積が建設費を差っ引いていくらで売れるか?の逆算で決まりますが、住宅においては「地階部分の不算入」という特例があって、建築物の3分の1までは容積率に含まれません。いわゆる地下にすることでボーナスを受けられる部分の床をそれなりの値段で買う人がいるから2階、3階の人たちもちょっとだけお安く買える、ということになりますね。
理屈でいくとこういうことなので、いま購入検討されている地下メゾネットタイプの住戸は、新築住宅にも関わらず相場と比べて安いのです。
地下住戸はリセールが低いことで知られています。基準を2階とすると、だいたい3割引近いといったところです。コーポラティブハウスはリセールが明らかに安くなるというデータは存在しません、結局リセールは「立地による」としかいえません。今回ご検討の場所自体は駅から近く、人気のアドレスですからその部分については問題ありません。一方で「施主のこだわり部分」はほぼ価格に反映されません。企画段階でハイになってどんどんと内装オプションを付けていっても、その分のコストアップについてはリセールが悪くなる、ということになります。
近隣のマンション相場を調べましたが、スケルトン+内装施工費の価格で築20年中古マンションの相場とほぼ同じ値段、もしくはすこし安いくらいの水準で新築住宅70平米が買える計算でした。特に地下部分の浸水リスクについては、現地を確認していない私が責任を持って言える話ではないので上記のデメリットやリスクを個人的に許容できるのか?とお考えください。許容できると判断したのであれば、立地に関しては良いのだから前へ進むことをおすすめいたします。
奥様が働けなくなったときのリスクを受容できるのか?についてはまた別の問題です…
夫婦のこれからの稼ぎ方や健康といった将来の問題という家計の問題と、物件自体のリセールの問題は分けて考える必要があります。家計の問題はFPさんに相談してみましょう。
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コーポラティブハウスに居住して10年です
新築マンションの均質な内装と比べて同じ予算で
満足度が高い内装(漆喰壁や無垢材、タイルなど)
が選択できます
戸数も小さめなので長屋のように声がけも多く
子育て世代には良いのではないでしょうか
売却の時もコーポラティブの会社に
お任せするつもりです
購入時より少なくとも2割増しで今ならもっと
高くリセール出来ると思います
向き不向きがあるかもしれませんが
他の地域でももっと広がればいいなと思いますね
サフランさんは、のらえもんさんが指摘している以下のデメリットについては、どのようなご見解でしょうか。(のらえもさんの指摘の通り、反論がある、etc.)
・分譲マンションのメリットである”均質化”されていること、それを放棄することになる
・建設組合に参加する人を集めてからスタートするため、入居まで時間がかかる
・より密接な運命共同体に参加するため、コミュニティクラッシャーがいると苦労する
・注文住宅と同じで”施主のこだわり”は、リセールに反映されない
・募集の価格はスケルトンのため、内装費用はまた別で費用は膨らむ傾向にある
ご質問を頂きありがとうございます
のらえもんさんが指摘する点を私はまずデメリットだと考えていませんでした
⚫︎そもそも私は分譲マンションが均質化されている事に対する反発があります
どこの住戸も同じ内装で同じ間取り
内装のクオリティにも割高感を感じています
分譲する場合にディベロッパーは多額の広告費と
モデルルームとその家賃、人件費が割高の
原因でしょう
コーポラティブハウスの場合、そこの経費は
発生しません
⚫︎内装費用ですが、こだわるほどベーシックプランより高くなるのでそこは最初から設計士に伝えることが大切です
⚫︎コミュニティに関してですが確かに相性はあると思いますね
うちの場合は皆さんが似たような職業の人たちで
かつ常識的で穏やかな方ばかりで幸運でした
⚫︎デメリットは募集から入居までに2年は見ておかなければならないという事でしょうか
完成までに住人となる方たちと何度も
顔合わせをします(説明会や地鎮祭、シンボルツリーの決定など)
あと管理組合を自分たちで運営するので
理事と監理が回ってくるのが早いです
コロナ以降は全部オンライン会議で海外に赴任中の方とも全員参加でミーティングをしています
⚫︎こだわりはリセールに反映されないという事ですがクオリティが高ければ一概には言えないと思います
結論を申し上げると、インテリアなどこだわりが
強い人にはぴったりハマるのではないでしょうか?
集合住宅と一軒家のいいとこ取りかなとは
個人的には思います
10年以上住んで愛着もありますので
パティオの手入れを気がついた人が剪定をしたり
ご近所付き合いも和気あいあいとしています
満足しています