湾岸エリアを中心にマンション価格が益々高値を更新し加熱状態が続いております。
ご自宅には『あなたのマンションを探している方がいます!』『あなたのご自宅が高値で売れます!』とチラシが投函され、売却を検討されている方は多くいらっしゃると思います。
今回は『なるべく手残りを多くする』マンション売却についてお話し致します。一般媒介と専任媒介の違いなど基礎的な部分は言及せず、戦略的に高く売る方法についてなるべく分かりやすく解説致します。
はじめに
まずはじめにお伝えしなければならないこととして、『マンション売却に魔法は無い』ということです。
高く売れたり、安く売ってしまったとしても、せいぜい+-10%程度となり、相場を逸脱して高値で取引されることは経済合理的にあり得ません。
マンションは相場通りにしか売れないし、『あなたのマンションを何年も待っているお医者さんが相場より高く買いたいと言っている』ということはありません。
また、仲介会社に依頼するものの『結局売るのは自分自身』ということを忘れてはなりません。
極力お部屋が良く見えるように片付けに協力したり、積極的に内見に協力したりと売主さんの積極的な協力無くして売却は成り立ちません。
そこで重要となってくるのが担当者選びになります。
担当者選び
マンション売却は誰に任せるかによって大きく結果に差が出ます。
大まかに大手と中小で比較しますと、
・大手 メリット :担当者の力量のアベレージが高く、売却後の保証(設備の不具合の修繕等)も手厚い
直接多くの購入見込み客を抱えている
デメリット:基本火水休みで18時までの営業が多く、電話やメールが中心なので連絡がとりづらい
3年程度で異動するためエリアにかなり詳しい人は少ない
・中小 メリット :担当者の知識レベルや経験にむらはあるものの、突出して優秀だっだりお客様想いの担当者がいる
SNS等に力を入れていてエリア特化のお客様を抱えている会社もある
LINE等多岐にわたるメッセージツールが対応可能で対応時間も柔軟
デメリット:全く使い物にならない担当者にあたることがある
となります。
大手と中小で大きな差は無く、結局あなたのために高値売却をするために本気で向き合ってくれる方に会えるかどうかのゲームになります。
比較検討もせず、一人の方に依頼することはあまりおすすめできません。
担当者を見つける方法として、
・一括査定サイトを利用する
・SNSなどでエリアに強そうな担当者を探す
・CMなどで知っている大手不動産会社に連絡する
・SUUMOなどポータルサイトで近隣のマンションを掲載している不動産会社に問い合わせする
などになります。
自分に合った不動産会社(知識があり、連絡がとりやすく、親身になってくれる)が見つかるまで様々な方法を試しましょう。
また、査定金額が高い不動産会社を選択することは最も危険なので是非やめて下さい。
売れる想定金額になりますので、極端に言うといくらでも高く出すことはできます。
もう一度言いますが、相場を逸脱して高く売れることはありません。
販売戦略
マンション販売は、買主直接問合せと買主仲介会社経由の2種類があります。
買主直接問合せは下記の方程式で表すことができます。
潜在顧客数(検索数)×一覧クリック率×問合せ率×内見時決定率
潜在顧客が100名いる場合、一番重要な指標は詳細ページに遷移させる母数、つまり一覧クリック率です。
↑をご覧ください。
SUUMOなどのポータルサイトで検索結果はこの様に表示されます。
上下どちらがクリックされやすいかというと明白で、下になります。
理由はサムネイルが綺麗だからです。
一般的にマンションは居住中に売却します。
片付けて極力綺麗に見せたり、CGで家具を消したり、天気の良い日に写真を撮影したりとできることは多数あります。
ところが、この一枚のサムネイルに命を込めない担当者が多くいるのも事実です。
もう一度言いますが、元となる一覧クリック率が上がらなければ内見数が増えません。
内見が無ければ売れません。
サムネイルの画像に拘ることが超重要なのです。
買主仲介会社経由の場合は下記の方程式になります。
潜在顧客数(検索数)×詳細クリック率×優先案内率×内見時決定率
仲介会社はREINSという検索システムから買主様に提案する物件を探します。
条件を入力後、検索結果は文字の羅列で、主に物件名や築年数から買主様に提案する物件を選びます。
買主には図面の形式で紹介することになります。
そこで重要なのが買主様から見たいと言ってもらえる図面かどうかです。
↑をご覧下さい。
買主様が見たいと言って頂きやすいのは左なのは明白です。
買主候補者が見る図面はあなたの担当者が作成します。
この物件が見たいと思われる図面の作成に情熱を注げるかが重要になります。
上記2つのケースにおいても写真や図面のアウトプットに拘ることが最も重要といえます。
両手、片手
売主様から物件をお預かりしたら↑の様にREINSという業者用サイトに掲載し買主側の仲介担当者に広めます。
『両手』取引という言葉を聞いたことがあると思います。
売主、買主双方の仲介を行うことで双方から仲介手数料を頂くことで、当然合法です。
5000万円の物件を仲介した場合、片手1716000円、両手3432000円となり、仲介担当者は当然両手取引をしたいのです。
ただ、売主は高く売りたい、買主や安く買いたいため利益相反しているという見方はできます。
アメリカでは売主買主両方の仲介は禁止されておりますので日本独自の商慣習と言えます。
不動産会社、支店、担当者の単位で両手取引しか行わない意向の方がおり、その結果囲い込み行われます。
囲い込みの種類として、
・REINSに掲載しない(自社HP、SUUMO等ポータルサイトのみ掲載)
・REINSに掲載して何らかの理由を付けて買主側の仲介担当者からの内見を断る(売主が病気や出産等)
が一般的です。
結果的に売れれば売主は損しないのでは、という見方もありますが、
5000万円で物件を売り出しており6か月経過し4700万円で購入する方が現れてお譲りしたととます。
囲い込みをしなければ、買主側の仲介会社が1か月以内に5000万円満額で購入する買主を抱えている可能性もあり、その場合300万円を損したことになります。
つまり、囲い込みは大きな機会損失となります。
なるべく手残りを多くマンションを売却したい場合には囲い込みをしない担当者に任せるべきです。
補足ですが、仲介手数料が定額だったり安い会社や担当者については必然的に両手取引になることが多いため要注意です。
5000万円の物件のケースで、
・仲介手数料が定額33万円
・売却金額4700万円
だと削減できた仲介手数料1386000円に対し3000000円減額していると、手残りは-1614000となりますので要注意です。
売れるまでの仕組み
物件が売れるのは非常に数学的です。
物件A 徒歩4分 300世帯 築8年
物件B 徒歩5分 300世帯 築5年
として、物件Aの坪単価500の場合、物件Bは坪単価450~550程度となります。
その中で階数や向き、眺望によって増減します。
お部屋の内装に大理石と使用している、デザイナーズリノベーションしたなどの要素は残念ながらあまり考慮されません。
また、301号室Aタイプ55㎡南向きを所有していた場合、501号室Aタイプ55㎡南向きが5000万円で出ていたら、希望金額が5100万円であっても希望金額で売れることは99%ありません。
少し時期を置いて501号室が売れてから販売したりと、しっかりした準備が必要です。
繰り返しになりますが、相場を逸脱して高値で取引されることはありません。
まとめ
不動産業界は利益至上主義の担当者がまだまだ多いのが事実です。
囲い込みは売主様の機会損失に外ならず、許されざる行為だと認識致します。
当社KIZUNAFACTORYは売上ではなく、売主様がより喜んで頂ける仕事を心がけたいと切に思います。
なるべく手残りを多くマンションを売却したい場合には担当者選びが最も重要です。
下記ポイントに留意して担当者選びを行って下さい。
・連絡が取りやすい
・エリア、物件に詳しい
・囲い込みをしない
・写真や図面などのアウトプットにとことんこだわる
シンプルに相性が良く親身になってくれそうな担当者を選びましょう。
皆様の売却活動がいい結果になることをお祈りしております。
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