株価が遂に過去最高を記録し、景気の良いニュースが多く目に入るようになってきました。
日本は失われた30年を脱却し好景気に果たして入ったのか、ニュースを見ていても資産価格の高騰だけで実生活が潤ったと感じている方は少ないように見受けられます。
今回は東京のマンション価格高騰がバブルかどうかを検証していきますが、株価でお話するとバブルの状態はPERが上昇することを指し、バブル期のPER60倍に対し、現在は25倍程度と平常と言えます。
つまり株式においては企業の業績が良いため正当に株価が上昇している状態と言えます。
それではマンション価格はどうなのか見ていきましょう。
現在の価格上昇要因
マンション価格が上昇している要因を整理しましょう。
・低金利
・コロナとウクライナ等戦争による原材料価格高騰、円安による輸入物価の高騰、職人不足や2024年問題による建設人工の高騰による原価高騰で新築マンション価格が上昇
・新築マンションの供給数の大幅減少
・近年の女性の社会進出によるペアローンの一般化
・海外投資家の購入
主に以上の様な背景によります。
また、価格の形成方法として、
新築の供給→近隣中古物件の相場上昇
となっており新築価格が原価高騰により毎年高値更新をする以上、中古物件も併せて上昇することになります。
ここで注意すべきこととして、地域や物件毎に値上がりの濃淡がかなり異なるということです。
日本全体の不動産時価総額はバブル期の半分程度と言われているので、マンション価格上昇がいかに局所的な話かを理解することが重要です。
バブルとは
バブルは金融緩和に始まり、金融引締めで終わります。
80年代バブルは日銀の総量規制により幕を閉じることとなりました。
不動産のバブルを表す指標として、
イールドギャップが10年国債利回りを下回る
と言われております。
イールドギャップは利回りと調達金利の差を指します。
投資の観点なので、
利回り3.5%
投資ローン金利2%
10年国債利回り0.7%
とすると
イールドギャップ1.5%>10年国債利回り0.7%
となり、まだ安全圏であると言えます。
国債利回り=長期金利
ですが、現在日本の発行済み国債は1000兆円を超えておりGDP比で世界的に異常な水準です。
国債の利回りが上昇すると債券の時価が下がるため、大量保有している日銀のバランスシートが小さくなることとなり中央銀行としての安全性の低下を招きます。
また、利息の支払いが増えると、ただでさえ財源が足りないの政府の首を更にしめることとなるため国債利回りが大幅に上昇することは無いと考えて良いでしょう。
また、バブル期は投機的なキャピタルゲイン目当ての購入者が銀行の貸しはがしによって返済不能におちいったのですが、現在のマーケットで自宅として居住用の方が殆ど(9割程度)を占めるので金融引締めによって価格が暴落するシナリオは考えにくいです。
値下がりが起こる要因とは
現在のマンション価格の高騰がバブルでは無く正常な経済活動の一環と捉えると、価格の下落要因は以下になります。
・(主に変動)金利の上昇
・天変事変
・戦争
・経済ショック
変動金利は政策金利に連動します。
現在は異次元緩和が継続されマイナス金利が持続されておりますが間もなく解除になる可能性は高いです。
日銀は賃金上昇が安定的にインフレを上回ることで解除という姿勢を示しております。
ただ、解除された後はゼロ金利、その後長期的に緩やかに上昇と考えても数年のうちに変動金利2%の様な水準になることは考えにくいです。
私見としてはあまりリスクと捉えず、上昇に備えて投資や貯蓄を行うことが重要と考えます。
天変事変や戦争は被害が分からないためあまり議論はできませんが、南海トラフ地震や首都直下地震は30年以内に70%の確率で起こると言われているので、起こる前提で考えておいた方がよいでしょう。
また、経済ショックについては価格の揺り戻しまで1年程度と想定されるので、起てしまったときに焦って残債を割って売却するようなことが無ければ問題ないと思います。
価格上昇と下落リスクを踏まえた購入戦略
大前提として、マンションは株式と異なり価値が下落しても居住という本質が損なわれません。
つまり、下落しても良いと考えるべきです。
ただ、価値が下がらない物件であれば現金化したり、人生の助けになってくれますので下落しにくい物件を選びましょう。
人口増加エリア、駅近、大規模、ブランドマンション
に極力留意して物件を選びましょう。
現在、マンション価格は下落の可能性より上昇の可能性の方が高いと言えます。
なので極力早く購入しましょう。
そこでポイントなのが過去の成約事例にとらわれすぎないことです。
あの時は安かったと言っていると、いつまで経っても買えません。
まとめ
マンション価格が高騰し、なかなか購入に踏み切れない方は多くいらっしゃいます。
いずれ購入したいのであれば勇気をもって今決断することが重要です。
この記事が皆様のマンション購入のお役に立てたら光栄です。
南海トラフ地震や首都直下地震が起こる前提で考える場合、マンション購入時や購入後にどのような対策が考えられるでしょうか?
基本的にRCの物件ですと倒壊リスクは低いと考えられます。
極力強固な地盤、極力新しい築年数、極力良い管理体制の物件を選定されるしかないかと思います。
国土交通省よりハザード等一括で確認できるサービスが4月から提供されるので参考にしてみて下さい。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo17_hh_000001_00032.html
現状をよく分析してあり、わかりやすく参考になりました。
資産運用でここ数年で都心のマンションをいくつか
買いました。最近は新築は少ないし、中古も含めて
なにしろ価格が上がってしまいました。
実需ではないので、良い物件があればとあわてないで
ここ1-2年は様子見です。
これからも役立つ情報を期待しています。
現状を良く分析してありわかりやすく参考になりました。
資産運用でここ数年でいくつかの都心のこマンションを購入
しました。最近は新築が少なくなり、中古を含めて価格がかなり
上がってしまいました。
実需ではないので、ここ1-2年はあわてないで様子見です。
これからも役立つ情報を期待してます。
コメントありがとうございます。
今後も役に立つ記事をあげていける尽力していきます。
引き続きよろしくお願いいたします。