こんにちは!
ふじふじ太です!
お便り返しです。
差出人: 海馬
誰に答えて欲しいですか?
全員
メッセージ本文:
中古マンション購入のおすすめ妥協点をアドバイスお願いします。
希望エリア、間取り(広さ)、築年数の全てを満たすマンションは高くて買えないので、何か妥協する必要があります。
子育ての関係で、間取り(広さ)を優先したいので、エリアか築年数を妥協しようと思いますが、どちらを妥協した方がいいでしょうか。
希望エリアで希望間取りだと、築15-20年程度になります。
お便り頂きありがとうございます!
結論ですが、私なら迷わず「築年数」を妥協いたします。
もちろん海馬様が何を優先されたいかにもよるのですが、今後子育てをされるということですから、何よりも子育て環境・生活利便性を重視すべきであり、すなわち「エリア」を優先された方が総合的に満足度の高い生活を送れるかと思います。
マンション自体が新しくても古くても、生活利便性についてはさほど影響はないでしょう。
ご希望エリアで築15年〜20年でご購入できる物件があるのであれば十分だと思います。
築年数が古い物件が嫌だというのは、おそらく資産性を気にされてのことか、もしくは古い設備や使用感のある水回りが嫌だということだと推察いたします。
設備面が気になるのであれば、リフォームをすれば解決します。
最近は湾岸エリア内でも築20年程度のものを安く購入し、フルリフォームするという方も珍しくありません。
中には新築信仰の方も多く、人が住んだことがあるお部屋を絶対に買いたくないというこだわりがある方も一定数おりますが、中古をご検討されている時点で海馬様には当てはまらないでしょう。
また、築年数が古くなるほど価格が下がるというのは一見すると常識ですが、私は最近この常識に対して懐疑的です。
もちろん物件によりますが、地方や郊外の築古木造住宅などは築年数と共に減価していくものもありますが、都心エリアのRC造の大規模マンションについてはもはや当てはまらないのではないかと考えております。
何度かブログでも書いておりますが、資産性を決める要素として重要なものは以下の順番です。
①エリア→②マンション→③お部屋
つまり、築年数や間取りの形どうこうよりも、「今後も住みたい人が多いエリアか、人が集まるエリアかどうか」が、資産性を考える上で最も大事なポイントと言えます。
よって、資産性という観点を切り取ってみても、エリアを重視した方が良いということになります。
もう少し深掘りをすると、不動産価格の決定要素にはさらに上流があり、それは「経済市況(景気)」です。
不動産価格は経済市況に最も大きく左右されると言っても過言ではございません。
経済市況に関しては個人の選択でどうこうできるものではなく、適切なタイミングがいつくるか予想できるものでもないので、マンション購入を検討する時にあまり考慮するべきものではないとは思います。
仮に買い時(マンション価格の底)が10年後にくるとしたら、それまで待つというのもナンセンスですから。
話しを戻しますが、築年数がそれほど重要でなくなると考えている根拠は以下の3つの通りです。
根拠① 過去の築古取引の実績
私が定点観測をしている湾岸エリアを例に挙げてみます。
発展を続けている湾岸エリアは築年数が20年近く経過しているマンションでも価格が下がるどころか上昇しております。
マンションの築年数別に成約単価を拾って、古くなればなるほど価格が下がっているという示唆をデータで出している例もみますが、それは過去10年以上新築価格がどんどん上がっているからであり、いまの新築と10年前のマンション価格を比較したら新築の方が高いというのは当たり前です。
マンションが古くなるほど価格が下がるという根拠にはならないかと思います。
それであれば同じマンションで1o年前と現在の価格を比較するべきでしょう。
ということで、湾岸エリアで築20年近いマンションの最近の動きの一例をご紹介いたします。
オリゾンマーレ(築20年:新築時坪単価:194万円)
東京フロントコート(築19年:新築時坪単価:176万円)
Wコンフォートタワーズ(築20年:新築時坪単価:155万円)
築年数が古くても価格が下がっているどころか、上がっていることがわかります。
それは古くなったとしても、ここ数年間での経済市況が良かったということと、湾岸エリアが発展しているエリアであるからこそだと思います。
また、築年数が古くなると募集件数自体が減少傾向であるため、供給が少ないという点で買いたくても買えないため、価格が維持されるひとつの根拠とも言えそうです。
いやいや!築20年はまだ大丈夫でも、築30年超えたマンションの価格は大きく下落するのでは!?
と考えている方もいらっしゃるでしょう。
ご参考に、湾岸エリアで最も築古の分譲タワマンである佃エリアのシティフロントタワー(築33年)を例に挙げてみます。
・10年前の平均成約坪単価:坪単価200万円〜250万円前後
・5年前の平均成約坪単価:坪単価250万円〜300万円前後
・現在の平均成約坪単価:坪単価400万円〜450万円前後
リフォーム物件とそうでない物件の価格差が激しいというのはありますが、築30年を超えてきても坪単価400万円オーバーで決まっている物件も珍しくありません。
広めのリフォーム物件については坪500万円オーバーで決まっているものもあります。
築20年過ぎた後の動き(上記過去10年間の動き)をみても、経済・エリアの発展に逆行することなく、成約単価が徐々に上昇していることがわかります。
あくまで一例ではございますが、湾岸エリアの他の築30年前後のマンション(豊洲ハイライズ等)を見ても、価格を維持しているものがほとんどに見えます。
よって、エリアによっては築30年を過ぎてもしっかりと価格が維持されているということがわかります。
50年、60年、70年後の分譲タワマンがどうなるかは未知数ですが、需要が望める人が集まりやすいエリアということであれば、個人的には大きく価格が崩れる可能性は低いのではないかと考えております。
根拠② マンション自体のデザイン・強度・耐震性の向上
最近のマンションは耐震性含めてクオリティやデザイン性も高まっております。
最近のコンクリートの寿命は100年とも言われており、さらに既存コンクリートの補強技術も今後さらに進化していくことが期待されます。
仮に築100年が寿命とするなら、築20年も築30年もさほど変わりませんね。
その後築100年を迎えたマンションがどうなるかは私もわかりませんが。。
強度が維持・保証されるのであれば、築年数が古くなったとしても気にしないという方も増えてくるかと思います。
また、築年数が古くなってきた時に重要なのはマンションの管理体制です。
適切な修繕がなされずに、デザイン性の低下や老朽化が目立つと資産価値の低下に繋がってしまうでしょう。
逆に古くなってもしっかり修繕が行われ、ピカピカのエントランスやピカピカの共用部を維持できるのであれば、築年数は単なる数字としてそれほど重要な指標ではなくなっていくと思います。
ガレリアグランデ素晴らしいな
— ふじふじ太@湾岸マンションエキスパート|藤田祥吾 (@fuji_fujita_kun) January 13, 2024
築18年とは思えない。。
今の新築と全然見劣りしない pic.twitter.com/2Vm7m5oWgu
根拠③ 新築マンションの減少
現在新築マンションの着工戸数はどんどん減少しております。
株式会社野村総合研究所のニュースリリースによると、新設住宅着工戸数は2022年度の86万戸から、2030年度には74万戸、2040年度には55万戸と減少していく見込みとのことです。
建築費の上昇や、建てられる土地自体が減少傾向であるという点でも、マンション自体をなかなか建てられない時代です。
経済背景からも新築価格が下がることは当分は考えられず、むしろさらに価格が上がる可能性が高いです。
今までは新築の供給が多かったため、「マンションを買うなら新築」という価値観が先行しておりましたが、これからの時代は「新築は一部の富裕層に向けた贅沢品」となり、普通の会社員の方が買える時代ではなくなり「マンションを買うなら中古」という価値観が一般的になっていくと予想しております。
そうすると、中古への需要が相対的に増す形になるため、築年数が10年、20年経過しているのは当たり前という感覚になり、築年数が古くなっても価格が維持されやすくなると考えております。
欧米諸国はそもそも物件資料に築年数という項目自体がないものも多いと聞きます。
築年数100年以上もざらにあるので、もはやどうでもよいのでしょう。
日本は地震大国なので欧米諸国とは比べられないでしょうが、耐震性能の向上や再生技術の向上次第では、今後欧米諸国のような価値観になっている未来もそう遠くない気がしております。
本日は以上となります!
ご講読頂きありがとうございました!
ふじふじ太
スポンサードリンク
随時相談受付中。ふじふじ太に直接会って相談したい!という方はこちらから! ふじふじ太公式ラインに登録すれば、湾岸マンションアナリティクスも見放題です! お友達追加はこちら! Twitterでも情報発信しています、アカウントはこちらから。ぜひフォローお願いいたします!
コメントを残す