珍しく”ご指名”でないスムログ質問コーナーへの回答。他のブロガーからもお返事あるかもね。売主のオプション会で頼んだもの、頼まなかったものですね。
うちは無数に見積りは実施しましたが、やはりお値段面で折り合いがつかないので頼んだものはあまり多くはありません。ガラスフィルム・カーテン・フロアコーティング・エアコン設置などが、Option会経由は割損なものの代表格な気がします。
質問は…
差出人: オプション検討中
メッセージ本文:
新築マンションの購入契約をして、売主オプションを検討中です。ウィンドフィルム、コーティング、エコカラットや収納棚などいろいろあって迷っていますが、予算の都合もあります。そこで、みなさんがマンションを購入した際のオプションはどのようなものをどんな理由で頼んだのでしょうか?また、検討はしたものの、見送ったものはどんなものでしょうか?理由とともに教えてもらえると検討の際の参考になります(金額的なもの、構造的なもの、オプションではなく自分で手配したなど)。
オプション会発注のメリット・デメリット
デベのオプション会経由で頼むことのデメリットは「とにかく高い!」ということに尽きるでしょう。他でも可能なものは大抵2/3程度で済むということで、元のお値段にデべの利益が5割くらいは必ずのっかっています。オプション会経由のメリット:
一方で、当然にメリットもあって、単純な値段比較だと案外軽視されがちなので、入居してから安くあげるために苦労することも多い。
[1] 入居時にもうできあがっていること
例えばフローリングにUVでのハードコートをしたいとしましょう。売主のオプション会で頼めば入居時にもうできあがっていますが、別注文にすると、一端受け取ったあとで、自分で頼んだ業者に注文して臭いに敏感な人はそれが完全に抜けるまで1週間弱とか新居が利用できなくなったりします。内覧会では、コート無しの状態で検査するしかないですが検査のために一端はフローリングにオイル掛けしてある状態にするわけで、それをとる余計な工程が発生したりしてとにかくめんどくさい。
一端入居した後で、その後時間をかけていじっていかないといけないとなると、必須の引っ越しスケジュールなどに影響がでることがあります。特にファミリー用のマンションは3月引き渡しが多くて、この場合子供の転入などで住民票を移動して実際に通う学校が4月からとかで余裕がないことが多いですし、もとが賃貸を借りているのだと、1月程度引っ越し期間を遅くすることによる、賃料のコストも損得で考慮しなければなりません
[2] めんどくさくないこと
オプション会で頼まなかったものは個別に自分で相手の業者を探して見積りをとり、そして施工にも立ち会わないといけません。現地調査しないでできるものではないですし、会社ごとに別になり、全部を同じ内覧会の日のまとめるというのは困難です。例えば、フローリングのコーティングと、窓ガラスのフィルム貼りは別の会社になり、会社ごとに最低でも2回立ち会わないといけません。これが結構時間ロスになります。自分で採寸できるでしょうなんてカーテンでも、作ったら引きずったの、長さが足りなかっただののトラブル回避のために採寸はしたいと言われます。
東京都区内のマンションの平均価格が6-7000万円の今、マンション購入者は必然的にかなり高収入で1時間のお値段も高くなります。1200-1500万ってな世帯年収が想定されるわけで、お休みしてつきあったら1日5-6万円自分が損していると思うべきです。Option会であれば、この時間の無駄からは解放されます。
[3] 責任分担が明確化されること
建物の一部として、壁に張り付いて外れない形でできあがるようなオプション(特にかなりしっかりした施工を伴うもの)は、部屋側と全体で責任が一体化されることが大きい。典型的なものがエコカラットとか、二重床マンションであれば廊下を石張りや、タイル貼りにするなどのオプションですね。床暖房がOpであるパターンなどは、デベのOp会経由以外はあんまり現実的ではなくなります。
もともとのマンション本体部分と、張り付けた部分との間でトラブルがでたときに、違う会社に任せているとはまりやすい。
後はリフォーム屋さんとかに任せると、エコカラットを、臨戸との戸境にあたる乾式壁に割と平気で施工したりとかして、要はお金さえもらえればどこでもやっちゃうとか無頓着な施工をされやすいことが多いです。
地震などで乾式壁の一部に隙間があいて隣戸との遮音が落ちたパターンで、エコカラット部分は専有部ですから、とにかく撤去してください、復旧?当然自己負担で、管理組合は支払えませんという事案がうちのマンションでも発生したことがあります。売主の施工だと、純然たる専有部にしか施工しないのが普通で、Op会でここは大丈夫ですと言われるところは安全度は大きい。
#なおエコカラットは、見た目の改善は大きいですが、割とトラブルがでやすくて、管理組合やってるものとしては強く推奨はしかねます。ほかではバルコニーになにかを敷くってのも非推奨。理事会にはいらなければ、うちは多分バルコニーをリビングと高さ合わせで一面イペ材を敷き詰めてウッドデッキ化したと思いますが、自分が理事長になる可能性が高かったのでやめにしました。大規模修繕時には全部本人負担で撤去しないといけなくて組合による修繕の妨げになりがちなほか、もともとの逆梁の高さが柵こみで建築基準法ぎりぎりで”違法”認定になる可能性が高かったせい。自分が理事長とかになるならやめておいたほうが吉かな。
[4] デザイン的な統一がとりやすいこと
パナソニックの食洗機でも入れましょうとなったときに、面材合わせでお隣のキッチン収納と合わせるのは自分でやると結構大変です。
キッチン収納がOpの場合は、その高さ(キッチン側に合わせて5cm刻みで高さ合わせできるのが普通)・面材・上面への御影石貼りこみなどキッチン収納や、洗濯機の設置場所の上に収納をつけるなどは、意匠面で統一をとれるメリットは大きいですね。どうみてもカーテンとか、クーラー設置とかよりこっちのほうがオプション会では優先です。
オプション設置の分のお値段は・・・
オプション設置や設計変更をするときに、重要なことは、そこでかけるお金は、自分の拘りでかけているものであって、別のその値段の分だけマンションを売ったときに元がとれるわけではないこと。多くのオプションの不動産価格的な価値は殆ど0じゃないかなぁ。モデルルームでよく見られるように大きく部屋数を減らすような設計変更など、それをよいと思う人が少ない大変更で容易には元に戻せないものなどは、場合によってはマイナス評価です。
フローリングのUVハードコーティングなんかは私は、めんどくさがりですし、てかてか光っているほうが好きだからやってますけど、これも好みが分かれそう。普通に中古の販売で有無がリストアップされるような、床暖房の有無などは、中古価格に一定の影響はありますが、全戸標準である場合とちがってOpだと戸当たりコストが跳ね上がりますから、やっただけ中古になって値段があがるもんでもないと思います
(このあたりは、DJあかいさんの専門かなぁ・・・とっても多い回数家を売ってきたマンションマニアさんあたりのご託宣も聞きたい気分)
人生に一回かもって何千万円って借金をして、気分がハイになっているところで勢いで思わずいっぱいたのんでしまいがちなものですが、湾岸タワーの空中族みたいに短期での再売却まで考えているなら、あんまりオプション満載艦なのはマンションとしての価値回収の困難さを上げる方向になります。特に万人がありがたいとは思わないものは、個人の拘りとして、自分一人で使い潰す覚悟でつけましょう・・・といって、落ち着いて1-2年たってからやりたければつけましょうで後でと考えていると実際には冷静になってしまって、多額借金の高揚感が抜けるとやる人はあんまりいないのも確か。
車の値引き交渉などと同じで、オプション価格そのものを個別には値引するのはほかの購入者に知られるとまずいとかありますが、マンションの本体価格を値下げするよりは、同じ値段オプションをつけますよというほうが、コミッション分だけ売主の持ち出しは少なくてすみますから受け入れられやすいということがあります。価格交渉が可能なマンションでは、最後じゃーこれつけてねとか押し込みやすい部分があるかもしれません。
うちの場合
うちは大幅に設計変更(壊して作り直すのではなく、最初から全ての間取りなどを変更できる)できるかなり珍しい設定だったので、– キッチンにバントリーをつける
– 主寝室の間取りを変更してWICを狭くする代わりに廊下の収納率をアップ
– キッチンの天板拡張(3m×1.1mという大型の天板、パーティ仕様)
– あちこち御影石天板に変更
– 中洋室の壁を全部とって、上釣り戸に変更
など無数に変更しています。新築リフォームするより、一度作って壊さなくて済むのでお安くすみますから。… というかあんまり払った記憶がないのはなぜだろう。結局全部でいくらだかよく覚えていません。
オプションって、いくつかの段階がありますが、うちはOption 会で選べるようなものはかたっぱしから見積りはとりましたが、実際に頼んだのは、いろいろ見積もってくれた相手に悪いから・・・と同じ営業職である妻が主張して買った表札くらいでした。
私は、入居の1年以上前にうちのマンションの購入者だけのSNS(mixiでした)のグループの管理人だったので、フィルム・フロアコーティングなどは全部数戸でまとまって共同施工したので、Op会の半値程度で済んでいます。
Op会のフィルムの値段は、枠まで測っていてそら変でしょう。フィルムの施工専業の方の見積りは、ガラス部分の大きさを実測して計算していました。その後、実際には遮熱効果がないのでは?って話題になったオプション会指定のシーグフィルムはやめて3Mのにしておけとか実際に赤外線ライトを使った実演とか受けられて、マンションヲタクとしてはいろいろ楽しめました。時間は凄く消費しましたけどね。
うちは近くに仮住まいしていたので、1月くらい入居が遅れても、子供の学区変更とかはなかったので1-2月のんびり弄ってからお引越ししたせいもあって自分でできるものは自分で。クーラーの設置なども4-5台ほどまとめて家電量販店でした。
これらのメリット・デメリットを勘案して、冷静に選んで欲しいですね。
なお写真は、毎日新聞から ↓
なぜか毎日新聞の関西版
なんかいろいろ頑張っている理事長の会の代表さんの管理事務室での勇姿?らしいですけどちょっと減量したほうがいいですなぁ。
ブログは次回からマンション購入・管理組合運営の両方にまたがって何回かシリーズで ”ただほど高いものはない”というネタを書いていきます。
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。
早速、詳しくご回答して頂きありがとうございます。フローリングコートも別業者だとオイル掛けを取ってもらったりしないといけないとは知りませんでした。引渡後すぐは、引越日程もしばらく調整されてすぐに引っ越せないだろうし、その間に自分で手配した業者でコストを抑えるのもありかなと思っていたのですが、そういうことも考えると、多少コストアップになったとしても引渡時に完了しているというメリットは思ってたより大きいかもです。また、エコカラット採用の際も戸境という観点は持っていなかったです。
参考になるといっていただけた回答になってよかったです。
じっくり考えて決めてください。後から同じには作るのが難しいものが優先で。
本音を書いてしまうと、私は相談を受けた場合にはフローリングコートや、ガラスフィルムは専業への直接発注をお勧めしています。
デベのオプション会経由で受ける会社は、取りまとめ役にすぎず、孫請けに仕事を回しているだけですので、それだけ受けて
ノークレームでこなしてる専業の会社とはかなり上手い下手での腕前が違います。
うちでオプション会経由でガラスフィルムやった部屋の施工者さんは、
ギリギリまで貼ってあるのがわからないくらい攻めてはり込むという技量はありませんでした。