さて、今回は「モモレジのちょっと得するマンション選び」と題しまして「資産価値を考慮したい」マンション検討者にとって少しでも参考になりそうな情報を提供していきたいと思っております。実需及び投資、両面からマンションを数多く購入した経験のある私だからこそお役に立てるジャンルなのかなと。
モモレジのスムログのメインコンテンツは「名作マンション訪問」にする予定なのですが、こちらもシリーズ化して時たま書いていきたいと思っています。
⇒名作マンション訪問2016Vol.1【千鳥ヶ淵界隈①】
というわけで、早速本日より少しづつ書いていきますが、記念すべき第1回目のお題は、
「新築と中古で発生する価格形成の歪みを利用しろ!」
です。
※写真に意味はありません(笑)
言うまでもないことですが、「新築」は売主であるデベロッパーがモデルルームの来場者の顔色やそもそもの反響(来場者数や資料請求数)をみながら価格を決めます(むろん、そもそものコストアプローチによりベースとなる「おおよその希望売値」はあるのですが、市況により上下合わせて1割程度ぶれることは何ら珍しくありません)。モデルルーム開設当初の予定価格から正式価格決定までに価格変動がない物件なんてほんのわずかなことからも分かるように、「新築」のケースではスミフさんのような殿様商売を貫く一部のデベを除き基本的には「来場者の顔色」+「需給(反響)」で価格が決まるのです。「来場者の顔色を明るくする」のもデベの腕の見せ所ではありますけどね(笑)。
では「中古」はどうか。
「中古」は、大手中小問わず数多くの仲介会社により新築以上の大きな市場が形成されているのでむろん「需給」による影響が少なくないのですが、なにはともあれ「周辺物件の取引事例(レインズ)」が基本となるというのが「新築」との価格形成に関しての最大の違いと言えるでしょう。
「新築」においてもむろん周辺の分譲事例や中古成約事例も考慮するにはするのですが、つい最近と言えるような時期に近隣で新築マンションが分譲されているケースを除き同じ「新築」という意味で価格形成のベースになる事例は存在しませんし、基本的には「できれば完成前まで、遅くとも完成後数ヶ月以内」に完売を目指すのが我が国のマンション販売の基本戦略である以上、その時期までに「完売を目指せる価格」にする必要があるのです。周辺事例等やコストアプローチをベースとして、おおよその予定価格を決めたとしても、実際、蓋を開けてみて(モデルルームをオープンしてみて)、その価格であるべき時期に完売させるのが難しいようなら修正せざるを得ないということです。
当然ながらデベは土地の仕入時に売れるであろう価格を見積もった上で土地を買うわけですので、土地の仕込みのタイミングから分譲開始までの「タイムラグ」がなければ「コストアプローチによる価格」と「実際に売れるであろう周辺事例」は近似するはずなのですが、通常1~2年のタイムラグがあるのが普通でそのような期間内にマンション相場は大きく動くため、結局は土地の仕入時に予定していた水準と異なるものとなることが少なくないというか、当初の水準なんて当てにならないのが現実なのです。
というわけで、そもそもの価格形成のアプローチが「新築」と「中古」では大きく異なるため、新築時には高かったお部屋がリセール市場では思いの外高く評価されないケース(逆もしかり)が往々にしてあるというわけです。
つまり、その「歪み」を狙うと「ちょっと得するお部屋が買える可能性が高まる」、「資産価値を考えた場合に有利となる可能性が高い」、それが今回の記事で述べたかった視点となります。
第1回目は以上となりますが、その「歪み」がどういう時、どういうマンション、そしてどういう住戸に生じているか、それこそが皆様が最も知りたい点かと思いますので、次回以降ではそのような点を1つ1つ挙げて行きたいと思っております。
書いて行くうちに内容には多少変更があるかも知れませんが、今のところ以下のような点を少しずつ挙げて行こうかと。
乞うご期待!
・総戸数や階建などの違いにより発生する歪み
・専有面積と部屋数の差により発生する歪み
・階・方角の差による歪み
・間取りの良し悪しにより発生する歪み
・青田売り(新築(完成売りとなるケースもあります))と実物(中古)の差による歪み
・過去の新築分譲事例による歪み
・投資(賃貸)を念頭においた場合の価格と賃料の歪み