豊洲地区に建っていないのに「豊洲〇〇」というマンション名はOKなのか?
「豊洲」よりも更にブランド力のある「銀座」の名称を使ったマンションはどうなっているのか?
【もくじ】
◇豊洲でないのに「豊洲〇〇」というマンション名はOKか?
◇豊洲でないのに「豊洲」名称のマンションは8件
◇銀座でないのに「銀座」名称のマンションは29件
◇「ブランド地区名称」+「方位」というネーミングの抜け穴
◇マンション名の”表示偽装”は売主の販促都合!?
豊洲でないのに「豊洲〇〇」というマンション名はOKか?
豊洲人気にあやかろうと、「豊洲〇〇」という名称のマンション広告がある。「都心へ自在にアクセスできる3駅4路線利用」が謳い文句。
豊洲駅から徒歩14分
木場駅から徒歩14分
越中島駅から徒歩15分
この物件は塩浜地区の運河沿いに建つ。でも、物件名称は「塩浜〇〇」ではなく、隣接地区の名称を冠した「豊洲〇〇」となっている。
消費者受けの良い隣接地区名称を冠した「豊洲〇〇」とすることは、許されるのか?
結論からいえば、許される。
なぜならば、この物件の最寄りの駅が豊洲駅だからだ。
業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」第19条(物件の名称の使用基準)に、「物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる」と規定されているのである。
豊洲でないのに「豊洲」名称のマンションは8件
では、物件名に「豊洲」を含めたマンションはどのくらいあるのか?「住まいサーフィン」 の「物件検索」ページで「豊洲」と入力すると、竣工済み物件を含め23件がヒットする(4月30日現在)。
豊洲地区が15件。非豊洲地区が8件(内訳は、枝川4件、塩浜3件、東雲1件)。
非豊洲地区の物件は全て、最寄り駅が豊洲なのか!?(次図)。
マンション名に「豊洲」が含まれる物件の分布図
(↑ クリックするとグーグルマップが開く)
銀座でないのに「銀座」名称のマンションは29件
「豊洲」よりも更にブランド力のある「銀座」の名称を使ったマンションはどうなっているのか調べてみよう。「住まいサーフィン」の「物件検索」ページで「銀座」と入力すると、竣工済み物件を含め50件がヒットする(戸越銀座や都外を除く。5月3日現在)。
銀座地区が21件。非銀座地区が29件(内訳は、築地11件、新富8件、湊4件、明石町3件、その他3件)。
非銀座地区の「銀座」名称マンションの多くは、最寄り駅が銀座駅でも東銀座駅でもない(次図)。
マンション名に「銀座」が含まれる物件の分布図
(↑ クリックするとグーグルマップが開く)
「ブランド地区名称」+「方位」というネーミングの抜け穴
非銀座地区なのにマンション名に「銀座東」を含む物件は10件。しかもその多くは最寄り駅が銀座駅でも東銀座駅でもない。銀座の東方面にあるマンションという意味であればOKなのか?
物件名に「銀座東」を含む新築マンションを販売している不動産会社に電話取材してみた。
同社の見解は、かいつまんで言えば次のとおりであった。
「地理上の名称として100点満点ではないけれど、まわない」と首都圏不動産公正取引協議会に言われている。「銀座の東側にあり、東銀座駅から徒歩十数分の距離なので、物件の名称については問題ない」というのが同協議会の判断である、というのが同社の見解であった。
※電話取材の詳細については、「どこまで「銀座」? マンションの名称の使用基準」ご参照。
マンション名の”表示偽装”は売主の販促都合!?
人気地区の名称をマンション名に取り入れることは、住民の満足感(優越感)を高める効果があるかもしれないが、どちらかといえば売主の販促都合なのではないか。マンションに長く住み続ける住民にとっては、知り合いを呼ぶうえでも、宅配便の誤配防止のうえでも、マンション名は所在地の名称と一致させておいたほうがメリットが多いと思うのだが。
ブランド力のある地名でマンション名を偽装する販促ワザ。費用を掛けずに販売価格に下駄をはかせようという意図はないか?
あるいは投資目的でマンションを買おうとする土地勘のない外国人を意識した動きなのか・・・・・・。
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