明日9/2の夜9時からのNHK特集が地震をテーマにしたものですが、番組のおわりのほうに私がセンターをしている理事長の会RJC48の勉強会の様子がでてくるみたいです。エンドロールにもクレジットがでるみたいですので楽しみにしています。
⇒ http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170902
画像は知り合いのブロガーさんが本を出したようなので… 番組とは関係ありません: タワー初心者向けのいい本ですよ(一応褒めておかないとやばい)
さて今回も管理ネタでのご指名です。
質問は…
メッセージ本文:
はるぶー様
組合員の議決権の割合は、
①専有部分の床面積の持分割合、
②1専有部分につき1議決権
のいずれかを各マンションが選択していると思います。
関連して、管理費の負担割合も持ち分割合に関係なく、平等に各戸割を選択してもいいものでしょうか。
規約に定めがあれば ”あり”です
議決権の決め方も、管理費の負担割合も全戸同じとしても”きちんと規約に定めがあれば”合法ではあります。ここ20年くらいの新し目のマンションでは、管理費が全戸同じというのを見るのは非常に珍しいですが、古いURなどの団地型の分譲住宅などで、同じままになっている設定は実際によく見られます。 区分所有法をみてみましょう。
区分所有法
第19条(共用部分の負担及び利益収取)
各共有者は、規約に別段の定めがない限り、その持分に応じて共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
第38条(議決権)
各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第14条に定める割合による。
第14条(共用部分の持分の割合)
各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
共用部分の持分は専有面積比例で按分しますから、”規約に別段の定めがなければ”総会議決権も、共用部分に関わる負担(まぁ管理費ですね)も専有面積に比例することになります。
実は区分所有法には、この”規約に別段の定めがなければ”といですよう表現は無数にでてきます。なんらかの理由があれば、規約でこれと別に決めてもよいという意味で、”規約留保”と呼ばれるものです。
規約は法律の一部のような働きをしていることになるわけでとても大事だから変えるときには3/4以上の賛成を集めてねといわれる所以ですね。ちゃんと区分所有法を勉強しないで書き換えるととんでもないことが起こったりします。
全戸同じ管理費というのはやって構いませんが、面積比例にしないならきちんと規約に書いてくださいよと区分所有法はいっているわけです。
議決権は全戸1・管理費は面積比例が多数派
大昔の設定のまま代えにくいというのでなければ、全戸同じ管理費というのは昭和時代の設定をそのまま残した感じで、ほとんどのマンションは、総会の議決権は全戸1、管理費は専有面積に比例して設定されているのが普通なので、ご質問に至ったのだと思います。不動産表記などでの専有面積は、0.01平米までで表記するのが普通ですから、規約によくついている別表の共有持ち分の表は、78.24平米とか4ケタくらいの数字で書いてあるのが普通で、きちんと規約に簡素化を設定しないと、あなたの家は7824票ねとかとんでもないことになって、Excelとか使わないと過半数決議ができなくなります。このため、おおむね一番広い家/狭い家の比率が2倍を超えないファミリーマンションに多い設定だと全戸に議決権1を設定している例がほとんどです。(私のマンションもこれ)
一方で、最近は管理費は銀行引き落としが普通で、1戸ごとに細かく違っていても管理会社にお任せできるパターンであればあまり困ることがありません。面積比例が原則なのですからそのまま比例させてるケースが殆どで100円単位くらいで四捨五入されているケースが多いかなと思います。私のマンションは管理費が消費税率に自動連動しますが、今は1㎡あたり149円。専有面積をかけて1円未満は切り捨てて管理費にしますと規約・細則に書いてあるので、管理費は1円単位まで計算して徴集しています。
管理費が全戸同じである例
基本は面積比例で、対応は難しくないわけですから、今面積比例になっているのを、わざわざ全戸同じに変えるのはちょっと時代に逆行している感じでちょっと筋悪です。避けた方がよいと思います。一方で、ずっと同じ値段でやってきたところにはそれなりの理由があってそうなっている感じです。多くの古い団地型のマンションは、管理棟があって管理人さんがいるほか、植栽コストが大きくて、住戸の面積が違うといってもそれほど大きな差がないことが殆どです。住戸ごとに手間が発生しているのだからで、全戸同じにしていてももともとが賃貸での共益費の設定から発展してきていることが多いのでさほど変ともいえないかなとは思います。多くの場合月数千円とかで細かくその先を計算する煩雑さを避けているのも理由です。
それで皆まるくおさまっているなら、真ん中の面積の人を境にちょうど半々で損得が分かれるような現在風の形にわざわざ変える必要はないのでは?と思うわけです。
実際にかかる費用は、積立金は実際にほぼ面積比例する一方で、管理費などは”住んでいる人の相手をするための費用”としての人件費が大きな割合を占めることが多く、面積比例というのは実際の費用のかかりかたとはすこしずれるような気もしています。管理費も、積立金も1㎡あたりいくらという書き方をしてマンション同士を比較しますが、管理費のほうは狭めの部屋中心で造られているマンションでは面積あたりでは高くなる傾向があります。面積の割に住んている人が多いからなわけですが、実際にはこれを考慮して管理費を設定することは難しいかなと思います。
#管理でマナー違反などの面倒を発生させる人は全体の1割程度で、1割から管理組合の扱うめんどくささの過半が発生するからで、マナーの悪い人の管理費は22倍だ!・・・とかできたらマンションが浄化できて激しく嬉しいけど無理ですよねぇ・・・
逆に議決権数が部屋によって違う場合
タワーマンションなどのように主に下層階に狭い投資用の部屋を設定し、一方最上階付近にはとても広い王様住戸を設定する場合には、とくに一番広い部屋と狭い部屋の面積比が10倍を超えるような場合があります。この場合、面積に比例して管理コストも支払い共有部分の持分も大きく異なるわけですから、議決権には差をつけることが普通です。大手財閥系などの設定だと、おおむね一番広い部屋と狭い部屋の面積比が2倍を超えてきたあたりで、狭い部屋に1票、広い部屋には2票以上の整数票を割り当てるのがごく自然です。
標準管理規約改定で、議決権は価値比例にして構わないという議論が起こったときに、最上階の部屋はいまでも何票もあるとか不公平があるんですって?といろいろなマスコミさんから取材を受けたりしたのですが、殆どの記者の人が、”同じ面積でも”議決権が変わることがあるという点と、”面積あたりでは公平にする”点を混同していました。
高層階のほうが低層階より高いのは中古になっても残りますが、新築販売時に比較すると差は圧縮傾向になる(低層階のほうが値おちしにくい)のは割と常識です。最近は高層ー低層の価格差を圧縮気味で設定するタワーも多いですけど一般論。
高層階プレミアムには永続性がない一方で、専有面積はずっと変わりませんから永続性があります。前者で議決権を代えるというのは、管理費は面積比例のままであるのなら不合理だと思いますが、面積が特に広い部屋が何票ももっているのはあたりまえで、これでよくタワーがDisられているのは分かってないな・・・とか思っています。
参考までに
区分所有法の条文はこちらから見られますhttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO069.html
多くのマンションがひな形としていることの多い標準管理規約はこちらから http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html
つい先日民泊関係で12条に改正がありました。新聞社など報道関係の方もよく勘違いしているのですが(コミュニティ条項で無数にレクするはめになった,,,)、標準管理規約は区分所有法に無矛盾につくられた一つの規約のサンプルに過ぎません。それ自身が必ず準拠すべき法律と同じ重みのあるものではないのを勘違いした報道はよく見られます。
あるマンションの規約がこの通りでなくても別にそれで違法ということにはなりませんし、当然”そのマンションの現行の規約”のほうが優先です。
うちの規約もいろんな点で”標準”からずらしていますので違う!とか怒鳴り込んでこられても困る。一方で、あるマンションの規約の特長を訊くときには、標準とはどこが違う?と訊くのは有効ではあります。
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。
>マナーの悪い人の管理費は22倍だ!
ぜひとも浄化してください
わらわら(*^_^*)
ふむふむ
こういうほとんど切実性がない架空質問がくるようになったか
保険質問は質問者も真剣に悩んでいたなあ
まあ真剣に悩んでいたら最低10行は切々と語るわな
コメントだけで諮問者の語彙数を超えてしまったわな
質問者にもロボットかけたらいいあるある
わらわら(*^_^*)
うん
夏祭りでビール飲みすぎて急性アルか
>ウワサでは「ビール飲むなら暑い夏でしょ!」という大人の事情
まあなにより盛況
わらわら(*^_^*)
他に質問されている方と同じかたでしたので、ちょっとお名前の部分などを編集しました(はるぶー)
はるぶー様
いつも懇切なお返事でありがとうございます。基本的な考え方や、法的な根拠などお示しくださりありがとうございました。大変参考になりました。
さて、現在、当マンションは「議決権は全戸1・管理費は面積比例」です。
一番広い家/狭い家の比率が2倍弱です。
「1専有部分につき1議決権」ならば、管理費は全戸同じで
議決権が「専有部分の床面積の持分割合」であるならば、管理費も面積比例という考え方は如何でしょうか。(修繕積立は面積比例)
私は、議決権を「専有部分の床面積の持分割合」に変更することによって、管理費も議決権も面積比例というように、整備したいと考えております。問題点をご指摘いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
議決権を面積比例に代えるのももちろん自由です。多くの場合規約の10条あたりから引かれる規約別表で、共有持ち分を比例配分するための専有面積の部屋タイプごとの表がついていると思います。なにも規約に定めがなければ、その通りにしなければなりませんが、今全戸1票になっているのであれば、まさか75.66㎡なら7566票ともできないのわで、どのように1票の部屋、2票以上の部屋を割り振るのかを決めた上で、それを規約そのものに書きこんで、総会で3/4以上の特別決議でもって可決しなければなりません。
このどこで仕切るかはもめそうな気がしませんか? 多くの場合特別決議で自分以外だけが変わるというのに区分所有者は冷淡です。2票になる人は文句いわないでしょうが、わざわざもめるだけという気もするんですよね。
問題はそうしなければならないほどに、議決権数の不公平があるかどうかですね。規約の変更は非常に手間がかかりますから、それに見合うメリットがなければ私はやりません。現状も別に違法なわけではないので。 うちは過去の全部の議決結果で議決権行使されたものをExcelで集計していますから、面積の重みをつけてどう変わるかなというのを特に反対数は多かった(1割以上)議案全てについてみてみたことがありますが、完全に面積比例にしても、全戸1にしても結果の賛成率が大きく変わるような議案がありませんでした。1戸の損得とは別に、例えば100㎡以上などの広い部屋をもっている人が、特定の議案に賛成・反対しやすいといった傾向がなければ、面倒を増やしてまで面積比例をもちこむ理由がないと考えました。 理事会で報告して、今のままでいきましょうで済ませています。
もちろん面積比例にしてはいけないといっているわけではありません。ただ総会会場での挙手などでの賛成票に重みをつけて正しく集計するのはとても大変ですよ。議案数などがとても多くなればなおさらで、数えている時間が総会の大きな割合を占めるのは私は避けたいですね。
ふっふむ
さすがに統計シミュレーションのはるぶーだな
こういうものはミッキーには一切でてこない
面倒を増やしてまで無駄なことはしない
で
>マナーの悪い人の管理費は22倍だ!
なんかこれはやりそうだな
わらわら(*^_^*)
総会でうちは議場参加者の票は、回数券みたいなのに議案番号が書いてあるのを配って、反対の議案は捨ててくださいとしてから袋に集めて数えるのですが、住戸で票数が違うと、一枚の家とか二枚の家とか複雑すぎて、せいぜい1か2だと思うんですよね。そのくらいの雑さだとあんまり公平になった気もしません。やるなら徹底的に平米数四捨五入くらいやるか、そうでなければまぁ全戸Iでもそんなに不公平ではないかなと。
国政選挙でも3倍くらいの重みの差が出てることはありますしね