★マンション購入をご検討中の方へ★ このブログでは、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンションについての疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介するものです・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
(尚、ブログ内では原則として調査物件の紹介は行わない主義ですので、ご希望の方にはパーソナルサービスとして個別物件の★マンション評価レポート(20~40ページの精緻なもの)★ を差し上げるようにしております。お気軽にご利用ください)
「どの部屋が資産性維持の観点でお勧めか」や「どちらの住戸が良いか」と物件のディテールを問われることは日常茶飯事です。
筆者の提供する「マンション評価サービス」でお答えできる範囲はサービスの性質上、できることとできないことがありますが、可能な限りご期待にお応えしようと日夜奮闘しています。
ただ、ディテールに入る前に考え直した方がよいと思うケース(物件)も少なくないので、遺憾ながら敢えてお答えを保留することがあります。
ものごとを判断するときは、「マクロとミクロの両面を見る」、「利害関係のない第三者の意見も聞いてみる」、「時間を少し置いて頭を冷ましてみる」、「何事もオモテとウラがある(メリットがあれば必ずデメリットもある)といった視点が必要なものです。
本稿のタイトル「間取りと設備に目をやる前に」は、「マクロとミクロの両面から考えましょう」という提案でもあるのです。
そのマンション全体の価値はどうか?すなわち、その立地・環境は価値あるものですか?あなたにとって最高の部類ですか?最高ではなくても、あなたと家族にとってふさわしいものですか?ピンポイントの立地・環境は良いとしても、マクロ的に見て価値ある立地ですか?
オモテとウラがある(メリットがあれば必ずデメリットもある)というのは、価格が安いのは安いなりの何かがあるに違いないということですし、南向きの部屋にはそうでない部屋に比べて良くない何かがきっとある、全戸角部屋で間取りが良い、もちろん通風も採光も良い、いうことなしの間取りだが、きっと何か欠点があるはずだ。500万円も値引きするというが、値引きするのは売れないからだが、何か大きな欠陥があるに違いないといった疑いは実際にあるものです。
人間は常に冷静ではいられないものです。モデルルームを見て感動し、舞い上がってしまう人も少なくありません。そんなときは周りが全く見えなくなっていたりします。
筆者は若いころ「こうと決めたら突っ走ってしまう」性癖がありました。そのために、しばしば失敗につながったと反省することもあったのですが、あるとき「立ち止まって足元を見ることができない。それが若さの特権みたいなもの」という文言を書籍から見つけて「はっ」としたのです。
それ以来、行動を起こすときは必ず一度立ち止まって足元を見るようにしました。急ぎの仕事でも、待てるなら一晩考えてから動くようにしたのです。仕事が早いことが取柄と自己評価していましたが、拙速は褒められないのでした。
●今この時期のマンション選びは悩ましい
過去3回の記事は、第92回がマンション選びは究極のところ「資産価値」に行きつく、第93回:マンション選びは「あちら立てればこちらが立たず」で中々難しい、第94回:「外観・玄関・空間・管理」4つの“カン”注目!!と、マンション選びの肝となる部分を書いてきましたが、今は実に難しい時期です。一般的な意味で「買い時」に買えば、やがて市場が活況を呈し、相場も上昇して、失敗だったかなと思う物件でも意外な高値の売却ができたりするものですが、今はその反対の時期にあります。
新築マンションの供給戸数が少なく、希望エリアには滅多に出て来ない、仕方なくエリアを広げてみるが、気に入らない。しばらく待っていると良さそうな物件が出て来た。しかし、価格が中々公開されない。さらに待って聞くと、とんでもない高価格で、買えそうな部屋もないことはないが、条件がひどく悪い。結局は見送ることに。
交通網が発達した都心部なら、どの区でも通勤に便利なので、目黒区も品川区も、江東区も中央区も対象エリアにしたが、それでも条件に合うものがなく、ときに大田区や板橋区、北区、練馬区などと広げてみたが決めきれず、長い間放浪している。このような人にも数えきれないくらいお会いしました。
筆者の2大サービスのひとつである「将来価格の予測レポート」を作成していると、ご依頼者を有頂天にさせるような「高い数値」は殆ど出て来ない今、中には「妙味ある予測値」になるケースもないことはありません。
レポートのご依頼者は、契約に進みつつあるものの、最後にもう一度立ち止まって足元を見つめた方なのでしょう。選択に当たって、あらゆる角度から検討したらしいことはメールの行間から読み取れるもので、そのようなご依頼者は、どちらかと言えば「良い選択」をされています。
筆者にしてみれば、ご依頼いただいた瞬間に「レポートの試算値(将来価格)」をある程度は読めてしまうのですが、難しいなりに、最善もしくは次善の選択・判断をなさっていると感じられるからです。
理想的には行かないものですが、その中から「隘路(あいろ)をよくぞ見つけたものだ」と感心します。
また、資産価値という視点だけで見たとき、成功するであろう「良い選択」をされた方は、よく勉強をされ、マンションの価値は何に左右されるかについて「優先すべき条件」をしっかり押さえていらっしゃるなあと驚嘆します。
このような方は、自身を第三者のような目で見ることができるらしく、対象物件の長所と短所を整理・分析しつつ、自分にとっては最良の選択がこれだと思うと書いて来られます。それでも第三者の客観的な意見を聞きたいとあるのです。
つまり、ご依頼の趣旨は「自分のこの判断が正しいか、どこかに抜けている箇所はないか」にあります。マンション評価レポートだけでなく将来価格の予測についてもご依頼くださる方はとりわけ冷静です。10年なり15年なり先がどのような感じか、仮に値下がりするとして、どの程度の腹を持っておけばよいかを知りたいというメッセージが付記されています。
横道にそれましたが、今はとても難しい時期ではあるものの、買えないわけではないし、難しいながらも「これなら」という適切な選択肢は用意されているものです。優先順位をどう定めるか、重要条件は何か、割り切るべき点はどこかといった「ある種の整理術」が終着点にスムーズに辿り着くためのカギなのではないかと筆者は考えます。
タイトルは「間取りと設備は二の次」とも言い換えることができます。マンションの価値を左右するのは、間取りと設備ではないのです。もう一度、冷静にマンション選びの重要条件または優先条件は何かと自問自答してみましょう。
そして、それを「整理」してみましょう。
●衝動買いが良かったとされることもある
勢いで買って失敗と感じるときもあれば、その逆もあります。モデルルームに惚れて舞い上がってしまい、そのまま一気に契約まで進んでも、結果的に「良い買い物」をする人もあります。
「怖いもの知らず」とか「無知蒙昧」という言葉がありますが、それが悩みを産まずにスムーズな購買行動になる場合もあるのです。
悩んで、悩んで悩んだ揚げ句に買えない人、知れば知るほど怖くなって決断できない人、生半可な知識のために方向を見失ってしまった人も少なくないように感じます。
あるいは、インターネット上の悪意に満ちた情報、偏見に満ちた情報などが判断を狂わせているのかもしれません。
知人は言いました。「インターネットは便利だが使い方次第だね」と。玉成混交の情報が氾濫し、それを取捨選択するだけでも大変です。結局、ここでも「整理術」がカギを握ります。
整理術はビジネススキルとして必須と筆者は思うのですが、筆者の経験ではスキルと経験と勘、言い換えると「スキル+センス」が大事です。
●苦手な部分は他人の力を借りるのも良策
筆者が相談員を務める「住まいスタジアム」でお目にかかる方たちの共通点は、何万円かの費用を払うことに「ためらい」のない方たちばかりでした。価値ある情報にはコストがかかるものだと仰います。筆者は、期待を裏切らないようにしなければいけないと肝に銘じていますが、もとより筆者には次のような信念があります。
それは、「サービス業は、相手が期待するレベル以上のサービスすることが継続の秘訣である」というものです。
筆者の提供する「各種サービス」は、料金無料が多いですが、基本は「マンション選びの水先案内人」として筆者の経験と知見、研究成果などを提供することにあります。筆者は、業界のOBで実務経験者であり、供給側の立場にもいましたが、買い手の立場でもありました。
良いも悪いも、業界の表裏を知る立場にいたのです。土地を買い、企画設計、建設、販売まで、マンション分譲を一気通貫で経験して来たので、事情も背景も、慣習やクセも知っているつもりです。昔と今では変化した部分もあるようですが、変わらない点も多いのです。
一方、買い手の立場としては、マンションの購入、買い替え、買い増し(賃貸用)、一戸建ての注文建築など、海外不動産以外は何でも経験しました。若い頃に初めて買った2LDKマンションから100㎡を超えるマンションへの買い替え、一戸建ての注文建築、全く失敗だったワンルームマンション投資、思いがけない利益をもたらした都心のタワーマンション購入などの経験もあります。
我田引水でしたが、ここまで述べたのは、悩み多いマンション購入者のみなさんにお役に立てる情報と知見は少なくないと思うからです。迷ったらとりあえず聞いてみようと、お気軽にご相談いただけたらと心から願っています。
最後に付け加えると、一般的なご相談ではなく個別物件でお答えできる対象エリアは全国です。関東以外に、札幌、仙台、福島、新潟、金沢、宇都宮、静岡、浜松、名古屋、京都、兵庫、大阪、香川、松山、岡山、広島、福岡、熊本、長崎、大分、鹿児島などが弱くないエリアです。
ご相談・ご依頼メールをお待ちしております。
・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。
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