10日ほど前に受け取っていた質問なのですが、お返事を書くととても長そうなので…これ築浅で管理組合が取り組む最難関に近い問題で、話せば長~くなります。
質問は・・・
差出人: せんもんしょく
メッセージ本文:
はるぶーさんの投稿でいつも理事ネタを勉強させていただいております。はるぶーさんに、修繕積立金のことで質問させてください。
修繕積立金は、最近の新築マンションではもれなく当初期間お安め、その後何年かおきに上昇していくパターンで設定されていますが、はるぶーさんのマンションはフラットに変更されたとか。このフラットな修繕積立金の制度のメリット、デメリットをご教示いただけませんでしょうか。
積立金の初期設定は理事会泣かせ
私は過去に、管理費を平米あたり月12円値下げして、同額積立金を値上げしたことがあります。うちだとこれで年に600万円ほど積立が増えるのですが、合計での各戸の徴収金額は全く変わるわけではないので、理事の中ですら「それって同じでは?!」という人がいました。はるぶーさんはかなりがっかりしていたのですが。実際に、マンションの紹介記事や、モデルルームの販売員さんも”管理費と積立金と併せて”のランニングコストはいくらという言い方をされるので、両方合わせて税金みたいなもんだとか特に理事会をやってない人に錯覚されやすい。
販売時に長期修繕計画と、積立金計画(将来の大幅増額のみこみつき)は貰っているはずなんですが、さて例えその予定通りに上げるのだとしても、なにー増税かっ!!で反対が出てきやすいんですよね。
最初の積立金の通りでは立ち行かないことは買ったときにみんな知っていた”はず”なのに、この適正化(まぁいい方を変えると値上げ)を提案するとまるで理事会が無能で悪役みたいな言い方をされるので、理事会の役員は別に初期設定したのは自分じゃないのに…ブツブツととても割にに合わないとの思いをすることに。
併せて合計では両方3万円だけど、
A:管理費が1万円で積立金が2万円のマンションと
B:管理費が2万円で積立金が1万円のマンション
では全く未来は異なります。
Aはこのまんまでやっていける可能性が高い一方で、Bはこれから積立金の値上げがあるか、あるいはその合意形成ができなければ、修繕できないスラム化に向けた道を歩むかの2択に決まっているわけです。
タワー物件など別格に管理費が高くかかる物件を除いて、普通に長期に修繕にかかるお金を平割して考えると、管理費<積立金となるほうが自然です。一方で、新築時の初期設定からそうなっているマンションって、ごく稀にある野村の”オハナ”などを除いてまず存在しませんから、どこかで理事会が音頭をとって、積立金は”適正化”が必要になります。
そして、それはできるだけ早く済ませないと後になるほど困難になります。
うちでは積立金の”値上げ”という言葉は避けました。集めかたを変えるだけの問題にすぎないので。なのでいつも”適正化”です。
重要:管理費と積立金は合計ではなく、各々で”高い””安い”を考える
「積立金」は「貯金」!
管理費の一般会計は、日々の生活費のようなものです。贅沢や無駄を排して節約できるならそれに越したことはありませんし、あんまり多額を”お財布の中”にしまっておくものでもない。これに対して積立金は将来にわたって、マンションをできるだけ最初の状態に近く保っていくための計画修繕に利用するための”貯金”です。目的の決まった貯金で、使う時期がある程度決まっていますから、私はマンション内での説明会では”子供の学資の積立”に例えています。
下の図は、実際にうちのマンションでの積立金の改定の説明会(全部で6回を敢行)で使ったものです。中の挿絵は確か東洋経済さんの記事からの借用だったかと思います、
豚さんの貯金箱かわいいですよね・・・ 簡単に壊せないのがいいところなわけで、もう打診棒で叩いて割らないと中身はでてきませんってくらいにしっかり貯金していないと意味がない。普通積立金の取り崩しは総会案件ですからね。
積立金は学資積立みたいなもので貯金だといえば
”生活費は節約して、貯金は一定額はなんとしても残しておくべき”
とか
”ある程度余裕を見てためておかないと困ることがある”
とかの説明が、特に積立金?難しい・・・という層にも納得されやすくなります。
#積立金の算定根拠になる長期修繕計画はある程度余裕もみて保守的に算定しておかないと、いや頑張って子供は国公立だけで済ませるはずだったんだけど、私立にいっちゃって・・・なんて例えに実に使いやすいです。子供に必ず国立で高校大学にいけはちょっと酷。同じことを理事会に求められても困りますし・・・
重要:積立金は”みんなの貯金”。理事会がオーナーの意識改革をする必要あり
大規模マンションで一時金方式はあり得ない
ごく最近とあるマンションが数十万円の一時金を徴収したら、3戸が滞納になったということがありました。そのマンションの率いているのは、管理士資格をもった理事長の会(RJC48)でも指導的な立場にある方で、3年も前から一時金がありますよ!と広報を繰り返してきていての3戸です。ご本人は少なくてよかったとほっとされていましたが、そのマンションは中規模で100戸ほどです。3%が高額滞納となるとしたら、うちは500戸ですから、何十万円という高額滞納者が一気に15戸も発生することになります。
単なる管理費の滞納でも長期化して金額が大きくなるとなかなか支払っては貰えません。1戸2戸でもやれ怖いお手紙で督促だ、裁判であたふたしている現状を考えると、何十万円という滞納が同時に10戸以上発生した場合これはもう理事会でどうにかできるハンドル能力を超えることに。
その期に理事なんかやりたくないですよね。この手の地獄図は避けたいですから、大規模マンションで一時金方式はまずあり得ません。
将来的に一定額が必要なことはあらかじめわかっているわけですから、一時金方式はもってのほかとして、5年ごとに必ず総会で承認を求めるスタイルも望ましくないと私は思います。今は安いからで総会は通っても、だんだん漸増式であげていって、20年目の総会で可決できるかといったら後になるほど可決は結構難しいのではないでしょうか。均等割に移行すると決めれば、積立金の適正化のための総会決議は、ただの1回だけで済みます。
”値上げ”案件に関わることになる理事会の役員の苦労は大変なものですから、その政治的コストを低減するという意味では、均等割に移行していてくれると、後の期の理事会は”ほかのこと”に力を割くことができます。
- マンションのスラム化のリスクを小さくできる
- 理事会が、一時金あるいは、定期的に繰り返され鵜値上げの総会の政治的コストから解放されて他の案件に集中できる
のが、均等割に移行するメリットじゃないかなと思うわけです。
うちは、今9期ですが、1平米あたり月118円から248円への”適正化”を達成したのは4期の終わりでもう5年ほど前になります。これが可能な”期数”が結構限られるという話はシリーズの続編にしましょう。
まだデメリットには答えてないですしね。
重要: 積立金の一時金徴収方式は特に大規模ではあり得ない!
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本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。
>…ブツブツと
そうそう
>豚さんの貯金箱かわいいですよね・・・
別にはるぶーがかわいいわけではありません
そのほかは言うことなし
わらわら(*^_^*)
私はロボットではありません
なにも私がかわいいとは書いてない…
気にはいりませんが、現段階では、修繕積立金は、一部をすまいる債で積み立てると、最低積立額がありますから、目安になります。 十分調べていないので確実ではありませんが、最終保証は、これも気に入らないマンション管理センターに保証料を支払うことで、事実上の政府保証になるようです。 中規模マンションでは、1回目の大規模修繕工事は、購入時に支払う、特別修繕一時金もあり、何とかなりますが、2回目以降はとても無理です。 ホリエモンではありませんが、「カネがあれば何でもできる」ですから、修繕内容は後でも、「カネ」の準備は必要です。
全く私も同じに考えます。
積立金は値上げされたくない人はいろいろ理屈をつけてきてきますが、貯金なんですから、なんで貯金を増やしてはいけないの?からスタートすべきですね。
すまいる債は、普通貯金と定期貯金の間みたいな性格のものですから、一定額をそちらに入れておくのは、決済性の利息のつかない口座にブタ積みするよりはましかなで、うちも結構使ってます。
>積立金は値上げされたくない人はいろいろ理屈をつけてきてきますが、貯金なんですから、なんで貯金を増やしてはいけないの?からスタートすべきですね。
個人の貯金ではないし、区分所有者でなくなった時に返金もない。
そのことを考えると、修繕積立金の毎月の支払いはミニマムし、大規模修繕時に借り入れして10年で返済する自転車操業的運営が、区分所有者にとってふところに優しい。
私の方法論は、あくまで管理する側から見たものです。”区分所有者”にとって懐にもっとも優しいのは積立金など存在しないで工事のたびに必要額を一時金で徴収する方式ですね。これではなりたたないから積立金という制度ができているわけで、”一時金”や”組合の借金”を仮定するものは、そもそも【計画】に名前に値しないというのが私の考え方です。
個人の住宅購入計画、自己資金+住宅ローン、で計画する。
管理の側というが、管理組合は区分所有者の代理であることを忘れるなかれ。
管理組合の主体は区分所有者、管理組合は区分所有者と委任契約をした代理人である。
お名前にでているようにたかだか100戸レベルの小さいマンションであれば
”一時金徴収”でも不可能ではないかもしれません。
私のブログにでている例にもあるとおり500-1000戸ともなればなにかを
管理組合理事会が周知するだけで1月はかかります。例にあげた一時金の
引き落とし失敗率3%で計算すると500戸で15戸、1000戸で30戸の
長期滞納に匹敵する滞納額に対応しなければなりません。100戸で3戸でた
ことから1000戸では数十戸発生するだろうという計算には合理性はあると
思うわけです。
全オーナーの”代理人”(うちは法人ですから理事会全体で受け止める形になり
管理者はいませんが)であるからこそうちでいうと全戸の92%
(総会に参加した部屋を分母にするともっと高い割合になります)が賛成した
”均等割り”での徴収をきちんと継続していく義務はあるわけです。
… 理事会は総会決議の執行期間にすぎませんからね。
これを上程したのは4期の理事会、今は9期で殆どその時の人はいません。
もともと上程したのは私ですけれども。理事会→総会と通しているわけで
個人で責任背負えるようなものではありえません。
理事会は別にオーナーより偉いわけではないわけですがかといって決して下部でも
ないわけで5年に一遍その時に理事であった人が、もともと竣工時から決まっていた
必要額にじわじわ近くしていくためだけに”値上げ?”とかいわれるのは割に
会いません。理事は別に区分所有者に”つくす”ためにいるわけではないので、
自らの”政治的コスト”を低減できる(無駄な値上げの繰り返し総会決議は避ける)
のは当然だと私は考えます。 初期設定で積立金が安かったからといって責任を
売り主に押しつけることもできないでしょう。できるだけ早くに組合が自分の問題
として解消する必要はあるわけです。
100世帯。。。。さんはメガマンションにおける理事会の対応の大変さというか
実務はあんまりご理解されていないように思えます。
まぁ・・・・立場を変えてみればまたいうことも変わると思います。
#多分かみあわないので、移行このネタ(積立金関連)での
100世帯マンション管理組合理事長様とのやりとりは
ご遠慮させて頂きます。
主張があるのであればご自分で世に問われたら?と思うわけです。
あららららら
どこのマンションも
この問題には困っている
意識高い人ほど
困っている
で。。。
話が噛み合わないのはよくわかるが
そこは置かれた立ち位置の違い
うーむ うーむ うーむ
せっかくこうして最重要な問題点を論じようとしているわけで
。。。
つづく
わらわら(*^_^*)
住民側からみたら積立金など不要、どんなに大変でも一時金で
集められん理事会が悪いという極論も成立しえますからねえ。
自分にできないことは他人にもやらせないってのが大事な気はするわけです。
輪番とか採用してるなら皆いずれ理事にはなるわけですしね。
まやりとりして意見が変わりそうな人ではないので、後は非公開でいきます。
大規模修繕を進めていくうちに、とんでもないカネが不要工事や不適切工事に使用されていることが分かりました。 図面も引けない、作業指示書も出せないコンサルが大手を振っています。 管理会社が素人の管理組合を騙しているのと同じで、コンサルも工事業者を騙しているので、同じ図式です。 「力関係」に負けず、工事会社には「信義誠実の原則」により、頑張ってほしいと思います。