クソ物件オブザイヤー2017番外編【元祖・敷地の二重利用】

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今年もはやいものであと1ヶ月、いよいよクソ物件オブザイヤーの一般投票がはじまりますね。

https://www.kusobukken.com/

今年は、あちこちで紹介されたおかげかTwitter以外の一般ネット民の方にも広く知れ渡ったようです。

GIGAZINE:魅力的なクソ物件を愛でる「クソ物件オブザイヤー2017」が開催中、次々に実力派物件が現る

https://gigazine.net/news/20171115-kusobukken-of-year-2017/

私も、なぜか全宅ツイ会員(湾岸部)にエントリされていることもあり、マンションブロガーのはしくれとして応募しようと思っていたら、躊躇しているうちに締切終わってしましました。

ネタは以前紹介した件のその後です。

高浜橋北詰に見るタワー文明の勃興(2)北西サイド編part2.(仮称)レジデンスブラッサム芝浦



「新駅ともども引き続きウォッチしたいと思います。」と結んでおきながら、ウォッチのみでとどまっていましたが、躊躇したのは同じ敷地の二重利用でもヴィジュアルではるかにうわまわる物件があったからです。

カーサ桜上水





全宅ツイの総会にまで出ているらしい、はるぶーさんも注目?!

グランドプレシア芝浦

かたや、私の紹介したほうもエントリー対象期間中、新聞ネタになっていました。

JR山手線の品川-田町間の新駅近くの好立地 港区のマンション、違法建築の恐れ

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170619/cpb1706190712001-n1.htm


産経の記事自体、解説っぽい感じでいかんせん見た目のインパクトが薄かったようですが、物件名が書いていなかったためか、私のブログも珍しく一時期バズっていました。((仮称)レジデンスブラッサム芝浦だった物件名は、その後「グランドプレシア芝浦」に決まったようです)

素人には話が分かりにくいので、解説記事も。


記事には次のようにありますが、探しても続報がないですね。

「住民は、新築マンションの建築確認取り消しを都建築審査会に求めており、19日に関係者の主張を聞く口頭審査が開かれる。」

念のため、都建築審査会の公開議事録(www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/ken_sinsa/gijiroku.htm)も見ましたが、当該の6/19の回には記述がありませんでした。

過去の訴訟もH26に最高裁で敗訴が確定済みとのことで、口頭審査も「主張をうかがいました」で終わったのかもしれません。

私の元ブログで産経の記事より経緯を比較的細かく書いていますが、最初になぜか敷地を売ってしまった時点で正直厳しいのかなとは思います。

前回は趨勢がわからなかったので書きませんでしたが、実は個人的興味で以前からウォッチしており、過去の近隣説明会と、今回の件の近隣説明会にも参加しました。

2012年の「(仮称)芝浦4丁目共同住宅新築工事」の際は、分譲案件でした。

http://www7.kankyo.metro.tokyo.jp/building/detail/120187_011.html

建築主は今回(JR九州)と似ていてはるか遠方の大阪の業者さんで、説明を聞いても敷地形状の都合もあって建物に魅力は感じられず、過去の経緯を知っているだけに「本当に建つのかな?」という感じでした。案の定、そのまま駐車場に戻ったので今回もどうかな?と思っていました。

今回の件の説明会は、住民の方はもちろん、隣接住戸の方々からもさまざまなご意見()が出ていました。が、裁判の件の経緯もあってか、約束事項は騒音への懸念などにとどまっていました。前回と大きく異なるのは、賃貸物件にしたことと、施工業者が港区内の某社に決まっていた点で、実現に向けかなり自信があったものと思われます。産経の記事でも、JR九州は次のコメントを寄せています。

「当社は(最高裁で)訴訟の確定後、本件土地の取得、およびそこでのマンション建設を適法・適切に行っており、何ら問題はないと考えております」

11月時点の現地の状況

さて、長くなりましたが私のブログから1年以上、産経記事から半年近くを経て気になる11月時点の現地の状況です。

11月の現地(全景)

11月の現地(全景)


…普通に並びでマンションが建っていて違和感ないですね。(手前は有名な焼肉屋さんの精香園)

住民の方の強い意志を示すはずの5フロアぶち抜き看板がほぼ隠れてしまったので、正面に回ってみました。

11月の現地(正面)

11月の現地(正面)


建築は順調に進んでいるようで、やはり看板(巨大なノボリ?)がなければ普通の建築風景で、桜上水に比べてしまうとインパクト低いです(だからこそ問題?)。

完成しなければ(まだ)違法状態ではないとのことで、引き続きウォッチします。

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ABOUTこの記事をかいた人

港区湾岸タワーマンションに在住の計算機技術者(でありたい)。 23区では同エリアしか居住経験がなく、いまも湾岸エリアで評判のMRは見に行っています。 自分の新築リノベーション経験を振り返りつつ、主に湾岸を中心に常に変化し続ける街の情報などを追うことで、次のリノベーションへのヒントを得ようという目論みです。

4 件のコメント

  • ドル より:

    タビーさん、興味深い記事ありがとうございます。
    ひとつ疑問に思ったのですが、芝浦の現マンションは隣の敷地を売った時点で、新築マンションが立つ立たないに関係なく、建ぺい率オーバーにはならないのですか?

    • タビー より:

      ドルさん、1年以上前の記事にコメントありがとうございます!
      法律に詳しくはないので、違うことを書いていたらどなたか指摘してください。
      建築基準法第53条1項では「建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建ぺい率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。 」と定めています。
      所有権者以外の者がその土地に建物を建てること自体は認められるので、土地を売却した時点では容積率の要件を満足しており、「敷地内」に新築マンションが建った瞬間にはじめて違法になると理解していました。
      まっしろぶろぐさんが解説しているとおり、歴史的経緯で複雑な事情はあったようですね。
      答えになっているでしょうか?

      • nuts より:

        以下、推測の域を出ませんが、写真を見る限り、建ぺい率の特例、緩和措置があったのでは?
        角地と耐火建築物で20%プラス(記事の内容にプラスするなら80%?)

        ただし、容積率の説明がしきれませんけど。
        延べ床面積なら、建物が完成した段階でカウントされるのでしょうが、敷地を売却した段階でアウトな気もする。

        • タビー より:

          nutsさん、この記事はコメントもロングテールですね!
          参考になる情報ありがとうございます。
          グランドプレシア芝浦が完成したいま、振り上げたこぶし、じゃなかった黄色の垂れ幕をいつ下すのかが気になっています。

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