これまでのあらすじ
管理の善し悪しは資産価値に直結するのか?①「管理費と修繕積立金」
管理の善し悪しは資産価値に直結するのか?②「管理会社変更は資産価値を毀損する?」
「マンションは管理を買え」という物言いはよく聞きますが(そしてはるぶー先生はそれに対して反論していますが)、少なくとも中古マンションを買った際、管理の初期状況が決まっている(そしてそれを選ぶことができる)という意味においては管理の初期状態を買うことができるという意味においてはその通りかもしれません。
(もちろん買った後は一当事者として管理に取り組むことになるんでしょうが)
最近いろんな物件を買ったり売ったり相談受けたりしてく中で、いろんなマンションの会計報告書や総会議事録を見るのですが、この2点には管理の状況、管理組合の能力が如実に表れてるなあと実感します。
会計報告書を見る
管理費・修繕積立金が相場より高いマンションだと支出の行方に注目した方がいいでしょう。僕がかかわったところでは管理費も修繕積立金も毎回大幅にプールして、(管理費繰越の大部分は修繕積立金に移し)5年に一回大規模修繕を行っていました。基本的に変な支出や不要不急の支出が多いのは、10年20年単位の長期政権のケースが多いです。アクトン卿の「権力は腐敗する、絶対権力は絶対的に腐敗する」ということわざを引くまでもなく、長期政権は緩みとゆがみを生みます。はるぶー先生とよく相談して政権内に潜入してシンパを増やし、内部からクーデターをはかりましょう。総会議事録を見る
総会は通常年1回のはずで、いくつかの議案について決議を取ります。1年間の集大成的なところがあります。なので総会議事録からも荒れていることが伝わるレベルだったり、理事が右往左往しているようであれば、改善の必要があります。
先日ひどいなと思ったのは
「共用部のラウンジの委託業者を変更したいという議案
⇒理事が試食したらまずかった、収支改善に至るかどうかも不透明
⇒詰め切れてないので延期しようとするが理事会が開けずそのまま総会に上程
⇒理事内でも反対者複数いるまま採決」
というケースです。誰のために、何のために、変えるのかわからない提案が通ってしまうのは大丈夫かなと思ってしまいます。
管理の問題といえば古いマンションの話だと思いがちですが、割と新しめのマンションでも理事に人を得ないと機能不全に陥ることは大いにあります。
自分のマンションがそういうマンションになってしまったり、そういうマンションを買ってしまったりしたら、理事になって頑張って状況を改善するか、さもなくばただ黙って見ているかしかありません。
この2点は未来予想図
きっと何年たっても~ではなくて、会計報告書と総会議事録は現在過去未来を雄弁に物語ってるわけですね。ちゃんと見てれば大規模修繕の費用が足らなくなるのが見える場合もありますし、統治不全は総会議事録に表れます。
どちらもただちに影響はないですが、問題が顕在化したときには資産価値に大きく影響します。
そういうまだ兆しの段階な時に「もうこんなマンションにいられるか!俺は売却して別のマンションに移るぞ!」とやるか、故郷に骨をうずめるがごとく最後まで戦うかはそれぞれの判断ですが、各自、やっていきましょう。
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