不動産経済研究所は1月22日、「首都圏マンション市場動向2017年(年間のまとめ)」を発表。
同研究所が過去に発表した資料も交え、過去16年間の「首都圏新築マンション市場動向」を可視化してみたら……。
【もくじ】
◇分譲価格は12年をボトムに上昇
◇10年でより狭く、より高くなった
◇13年以降、低価格帯の供給戸数が激減
◇庶民の選択は新築から中古へ
分譲価格は12年をボトムに上昇
23区の分譲価格は、07年のピーク(6,120万円)から漸減したあと、12年をボトムに上昇し始め、17年に7千万円を突破。首都圏の分譲価格も、13年以降上昇傾向にある。
10年でより狭く、より高くなった
首都圏のデータをもとに、横軸に「専有面積」、縦軸に「分譲価格」で描いたのが次のグラフ。ザックリいえば、首都圏の新築マンションはこの10年で狭くなったのに、分譲価格は1千万円以上、上昇しているのである。
07年~09年は、面積が小さくなり価格が下がっていく。
09年~14年は逆に、面積が大きくなり価格が上昇。
14年~17年は、面積は小さくなるが価格は上昇するという、マンション購入者にとっては最悪の時期であったことが分かる。
13年以降、低価格帯の供給戸数が激減
発売価格が上昇し始めた13年以降の、価格帯別発売戸数の変化を可視化したのが次図。ザックリいえば、4,500万円以下の供給戸数が激減しているのである。
庶民が新築マンションを買うのが年々厳しくなってきている状況であることが一目瞭然であろう。
庶民の選択は新築から中古へ
首都圏の新築マンションの発売価格は、投資や爆買い、相続税対策など、非実需要増の影響により13年以降上昇している。首都圏の中古マンションの成約物件価格のほうも13年以降、上昇を続けている(次図)。価格差(新築-中古)は拡がる傾向にある。17年の価格差は2,713万円。
「新築vs中古!過去12年間の「首都圏マンション市場動向」を可視化(2017年版)」より
「新築マンションには手が出ない。中古マンションであればなんとかなるかも」 そんな庶民の気持ちが行動として表れているのが次図。
首都圏全体では、中古マンションの成約戸数(約3.7万戸)が2年連続で新築マンションの発売戸数(約3.6万戸)を上回ったのである。
「同上」より
庶民は高騰した新築マンションに見切りをつけて中古マンションの購入に向かっている。
マンション業界は太鼓をたたけど、「いまは新築マンションは買い時ではない」ということをこれらのデータが語っている……。
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