お便り返し(76)無担保不動産からキャッシュを生み出したい

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こんにちは、やまちゃんです。4月から上の子が小学生になりまして慌ただしくしています。今の小学校はすごいですね、色んなものが整備されていて至れり尽くせりです。個人的には過剰な気がします。なんかこう、大事にされればされるほど子供たちはより繊細に弱くなっていく、そんな気がせんでもないです。自分の子供に対しては、多少雑に扱われながらでもガチャガチャの中で鍛えられてお前ら勝手に強くなれ、そう願う父親であります。

さて、久々になりますがお便り返しをさせていただきます!

差出人: ムッシュ

本文:
いつも楽しく拝見しています。
2024年6月引き渡し予定の地方タワマンを5000万円で現金購入する者です。
そこで教えていただきたいのですが、このような時代背景もあり、無担保の不動産を所有していることがもったいないと感じています。
リスクとバランスがとれ、キャッシュを生み出すことは可能でしょうか?
私は2023年3月に転職し、年収500万円会社員です。
既婚子なし47歳、世帯金融資産2000万円です。

ご購入おめでとうございます!6月の引き渡しということで、楽しみですね。素晴らしい新居生活を送られることを願っております。

さて頂きましたご相談について、まず私の意見をお伝えしますと、確かに無担保の不動産を所有していてももったいないので、住宅ローンを借り入れて(つまり無担保にせずに)資産運用した方が良いんじゃないかと思いました。

一応お伝えしたいのですが、以下に書くことは私がムッシュ様の立場だったらこのように考えて動くというだけの話で、私は不動産は少しかじりましたが金融・株式は素人ですのでご容赦下さい。

(※記事を書き上げた後でマンマニ師匠も回答されたことに気づきましたのでリンクを貼っておきます)

キャッシュ買い vs ローン買い

ローンを借りられる属性で、不動産をキャッシュ買いするメリットとは何でしょうか。ぱっと思いつく限りですが、

キャッシュ買い

  • 足が出ない(残債割れがない)
  • 心理的に楽
  • 諸費用が安い
  • 売主に対する交渉力
次に、ローンを借り入れるメリットは?

ローン買い

  • 手元資金を温存できる
  • 低金利
  • 住宅ローン控除
相続対策やインフレ対策など条件次第で有利不利が変わるものは省きました。

住宅ローンを引く話

現状、売主にはキャッシュで買うという話になっているとのことですが、普段お使いの金融機関や、条件重視するならネット系の金融機関などに借り入れの相談をしに行って、ご自身でローンを引くのも1つかなと思いました。売買契約にはローン特約が付いていないでしょうが、そもそもキャッシュで買う話なので万一審査落ちしても問題ないですね。

売主からすれば、顧客のキャッシュから振り込まれようが、顧客が自ら引いてきた借り入れから振り込まれようが実態は同じで、代金が支払われたら文句ないです。または、普通に不動産業者に「事情が変わった」と言って提携ローンの借り入れの相談をしても良いと思います。

私がムッシュ様の立場であれば住宅ローンを借りますね。自己居住の住宅ローンは低金利・長期で借りられて税制優遇まである、個人が使える最強の資金調達手段です。正直、借りない理由が見当たりません。。

例えば、売買代金5000万円のうち、自己資金を2000万円に減らして残3000万円を金利0.4%(変動)として32年ローンしたら、月の支払い額は約8.3万円 → ご年収500万円に対して返済率がちょうど20%くらいになり適正水準です。転職して1年経っていらっしゃるなら借り入れも出来るのではないでしょうか。

上記の借り入れですと将来に渡って残債割れの心配もほとんど無い上に、手元資金3000万円+既存の金融資産2000万円で計5000万円を確保できます。これを資産運用で更に殖やすことはそれほど難しくないのではないしょうか。

住宅ローンを借りられる属性でいらっしゃるのに、キャッシュで不動産を買っちゃったら使えるものも使えなくなってもったいない気がしております。

利殖手段と目標額

私はですね、手持ちの資産を増やすことを考える際、やはりご自分の年齢を考慮して手段を変えていかないといけないと思うのです。

若い頃は体力に任せて本業にゴリゴリコミットで良いと思いますが、今のご年齢にもなるとそうも言ってられないじゃないですか。体力のピークアウトはいつの日か~、そんな昔の話になっていませんか。自身の稼ぎに加えて、それまでに蓄えてきた富を自己増殖させる割合を増やさないといけないと思うのです。

定年時の目標額はいくらでしょうか。
仮に、「目標1億」だとして、定年まで13年あるとします。

私には、手持ち資金2000万円→(13年後)→1億よりは、3000万円借りて手持ち資金5000万円→(13年後)→1.3億の方が難易度が低いように思います。(ここで書くのはざっくりの話です。3000万借りて13年後はもっと残債減ってるじゃんとか、配当や税金を考えてないとか、細かい話はご勘弁ください。数字の正確性より分かりやすさを優先して書きます)

今ちらっと過去50年のSP500指数を調べてみましたら、1974年4月 90ドル → 2024年4月 5160ドル で、平均利回り8.4%/年くらいでした。(過去30年を見ても同じくらいですが切り取る期間によりますね)

仮に、利回り8.4%/年で13年複利運用できたとしますと、5000万円→ 8.4%/年(13年後)→ 1.4億くらいです。ちなみに、2000万→1億は、約20年かかる計算になりました。言いたいことは、SP500買えではなく、5000万全額ぶっこめでもないです。対象は債券でもいい、買い方は時間分散でもいいでしょう。

主旨としましては、誰でもやりそうな「あるあるの投資」をするなら、目標金額への到達は単純に「種銭関数」だということです。つまり種銭が多い方が有利です。

また、あるある投資で「種銭を殖やす」という行為は単純に、「時間関数」です。時間が長い方が有利。従いまして、ここまでの文脈において住宅ローンを借りるという行為は、「時間を買う」ことと同義だと思います。

(ちょっと話が逸れますが、今の若い人は投資において有利ですね。現役でいられる期間が長い、国内・海外問わず必要な投資対象に簡単にアクセスできる、情報収集が簡単、NISAやiDeCoなども整備されている。オッチャンたちが若い頃は、そんなもん全然揃ってなかったです)

とりあえず借りてみて、なんなら借りた後に「やっぱ怖いな~」となれば、まったくお金に手を付けずにローン控除期間(ちょうど定年くらいですね)が終わったらまるっと返してもいいくらいです。

銀行手数料を考慮しても、ローン控除のお陰で調達コストは実質ゼロみたいなものでしょう。期間中にデカい経済クラッシュの1つくらいは来るでしょうから、それ待ちで資金温存するのも1つかも知れませんね。

ただ、「多額の借金がある」状態でいることの心理負担が人それぞれだと思いますので、ここに書いたことが万人向けではないことは承知です。ムッシュ様がよくても奥様が嫌がることだってあると思います。

もし3000万円借り入れが怖ければ2000万円でも1000万円でもいい。仰せのように「リスクとバランス」を取る話になりますが、許容度に応じて間を取ることも可能ですね。

富の保存媒体をどうするか問題

日本はデフレが長すぎたせいで、多くの人にとって貯金が最適解になってきましたよね。

円は高かったし、物価はどんどん下がるし、何も考えなくて良いのでとりあえず貯金が正解でしたが、今後はやっぱりインフレ対策しないとまずいですよね。

「マンション買うぞ~」とか言って5年で気合で1000万貯めたのに、価格が2000万上がってましたオエ~!みたいなオチになってるじゃないですか。

これまで蓄えて来た富を日本円で保存していたら、それは円への一括投資と同じです。長い時間軸で見れば、円に全振りの方がリスクだと思います。(だからマンション購入を決断されたのかも知れませんね)

日本国では日本円が流通していて徴税もされるから我々は円を持っているだけであって、でも今後長期でその価値が毀損していく可能性を考慮するのであれば、「長期では」富を保存、むしろ増価しそうな別の対象(保存媒体)に移しておいて、円が必要なときに必要分取り出す、という行動を取らないと徐々に苦しくなると思います。

このようなリスクを取る層と取らない層とで、今後えげつない差が出ることは間違いないでしょう。行動を取らない層は、いつまでも国が悪い、政治が悪い、社会が悪いと怒っていることでしょう。悪いのは悪いと思いますが、それを分かってて問題回避の準備もせずに怒ってばかりではマズいですね。時間があるうちに考えておきたいものです。

不動産ももちろん富の保存先として悪くないと思うのですが、建物部分が必ず経年劣化しますし修繕費負担なども上がっていきます。ムッシュ様がおっしゃるような「キャッシュを生み出す」ということも、自己居住する限りはできませんから勝手が悪いです。

自宅マンションを担保に後から借り入れも出来ますが現実的ではありません。だったら最初から、自宅マンションを無担保にせず優良条件でローンを借りちゃって、不動産以外のあるあるの方法で資産運用して指数的に殖やすのが合理的ではないでしょうか。

 
注釈:
こちらの回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。記事の内容は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

スムログ担当者です。その昔、某デベで新築営業した後、Web業界に転身しました。妻と子供5人(6歳双子、4歳、3歳、2歳)、7人家族の親父業をやってます。

こちらのサイトでも担当者やってます。
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